TOP > NPO活動に参加した僕たちが社内でワークショップを立ち上げた理由〜越境学習を体験したNST社員の変化〜

NPO活動に参加した僕たちが社内でワークショップを立ち上げた理由〜越境学習を体験したNST社員の変化〜

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私たちは、日々仕事をする中でどれくらい「たのしい!」「おもしろい!」と胸が高鳴る瞬間があるでしょうか。または「この人素敵」「一緒に仕事をしたい」と思える人に出会い、それを実現できるでしょうか。

目の前の仕事は、自分が思い描いていたものよりもずっとシビアで地味で、胸が高鳴るようなことになかなか出会えないかもしれない。それでも心から全力で何かに取り組んだり、楽しいことをしたりしたいと、少しでも思っているならば、この記事がそのヒントになるかもしれません。

本記事のインタビュアー兼ライターは、「就職した会社でどう働いていけばいいのだろう」「自分は何のために働き、どんな人生にしたいのだろう」と、自らに問いを投げかける社会人2年目のSEです。2枚目の名刺ホルダーへのインタビューを通して、同じように自分の生き方や働き方を模索する若手社会人へのヒントとなる記事をお届けします。

2019年3月21日(祝)、NTTデータシステム技術株式会社のオフィスにて、子どもたちが世界にひとつだけのこいのぼりを作る「KOINOBORIプロジェクト」のワークショップが行われました。

KOINOBORIプロジェクトは、オートクチュールデザイナーである高松太一郎さんが東日本大震災をきっかけに、自身の2枚目の名刺としてNPO法人coyomiを立ち上げ実施しているものです。これまでに日本国内のみならず、海外でも実施されてきました。

サポートプロジェクト参加者が自社に持ち帰った「KOINOBORIプロジェクト」

この日のワークショップには、NTTデータシステム技術株式会社で働く、乳幼児から小学生までの子どもを持つ社員約20名が家族を伴い参加しました。

ワークショップがはじまると、子どもたちは生成り色の1メートルほどの筒状の布に、水性絵の具やクレヨンで思い思いに模様を描いていきます。気がつけば小さな子どもも大人もこいのぼりづくりに夢中に取り組んでいました。

感じるままに大胆に筆を動かす子どもたち。時には手や足も使います。その色使いや模様は、思わず大人がはっとさせられるほどアーティスティックで創造性にあふれるものでした。

また今回は、プログラムの後半で、参加者全員で大きなこいのぼりづくりにも挑戦しました。横断幕のように大きな一枚の布いっぱいに参加者全員の絵や模様がのびのびと描かれたこいのぼりを見ていると、一つの組織にも多様な個性があることに改めて気付かされます。大人も子どもも達成感にあふれる雰囲気のなか、ワークショップを終えました。

実は、今回実施されたワークショップは、昨年(2018年)9月〜12月にNPO法人二枚目の名刺のサポートプロジェクトでNPO法人coyomiの活動に参加したNTTデータシステム技術株式会社の社員が中心となり、企画・運営されたものです。

なぜ彼らが業務外で参加したプロジェクトの活動を社内に持ち帰り、ワークショップを実施したのか、そもそもSEである彼らがなぜ子ども向けのワークショップを行うNPOの活動に参画したのか。

ワークショップ終了後、今回の企画・運営をした石毛孝明さん、渡丈弘さん、若尾征浩さんの3人にお話を伺いました。

(左から:石毛孝明さん、NPO法人coyomi代表・高松太一郎さん、渡丈弘さん、若尾征浩さん)

―サポートプロジェクトで参加したNPO法人coyomiのKOINOBORIワークショップを社内イベントとして実施した経緯を教えてください。

渡さん:「そもそも昨年12月のサポートプロエクト終了時点で、ここで終わらせようとは思っていませんでした。KOINOBORIプロジェクトを基幹事業としているcoyomiに携わるからには、5月のこどもの日までは継続しようと皆で話していたのです。」

石毛さん:「意義あることをやるには、3ヶ月だと短い気もして……。5月まで続けることを前提に皆でプランを考え、プロジェクトを進めてきました。プロジェクトに参加する中で、coyomiの活動を拡げていくための事業運営費の獲得に課題を感じていました。とても素敵な活動なので、継続的に、より多くの場所でワークショップができないだろうか、それはどのようにすれば実現できるのだろうか、と。それで、当社など、企業のスポンサードでワークショップができないかと考えたのです。」

若尾さん:「KOINOBORIプロジェクトは、日本と海外の子どもたちが、自分だけのKOINOBORIをつくり、それを交換し合うことで、お互いの文化や伝統、表現手法や価値観に気づくことを目的とした活動です。

当社は海外に仕事を発注することも多いため、最初は現地の人と社員がこのワークショップをすれば同様の効果が得られるのではないか、文化の違いによるお互いのミスコミュニケーションが減り、仕事も進めやすくなるのではないか、そんな風に考え、会社全体の取り組みとしてcoyomiに運営を委託することができないかと考えていました。

でも、それは最終的なゴール。まずは会社や社員に知ってもらうために自分たちができることをやってみようということで企画したのが、今回のワークショップです。」

―普段はSEとして働いている皆さんがサポートプロジェクトに参加した理由、そして子ども向けのワークショップを実施しているcoyomiをパートナー先に選んだ理由を教えていただけますか?

石毛さん:「上司の勧めでコモンルームに足を運ぶことにはなったものの、最初は乗り気ではなかったというのが正直なところです。でも社外のプロジェクトに参画することで、プロジェクト推進の経験値が上がり、本業に還元できるものがあるのではと思いました。また、普段接する機会のない異業種の方々と一緒に活動できるというのも、何か得られるものがありそうで魅力的に映りましたね。」

若尾さん:「僕も最初のきっかけは上司からの勧めでしたが、コモンルームで高松さんの話を聞き、『やってみたい』と率直に思いましたし、自分自身の成長につながりそうだという期待を持ちました。それにとにかくこの活動は楽しそうで、自分の子どもにもこのワークショップを体験させたいと思ったんです。」

石毛さん:「確かに、KOINOBORIプロジェクトは関わる皆が幸せになれる“一点の曇りもない”活動だと感じました。僕も子どもを持っているので、子どもたちの未来につながる活動に参加したいという想いもありました。」

渡さん:「僕はサポートプロジェクトがずっと気になってはいました。ですが2人と同様、上司に声をかけてもらい、ようやく参加できました(笑)。高松さんのプレゼンテーションは、子どもたちや被災地への熱い想いにあふれていたのが印象的でした。話したいことがたくさんあって、時間内に伝えきれないほどの熱量があって……気づけば引き込まれていましたね。高松さんと一緒に活動してみたいと思いました。」

(「こいのぼりが世界を回り、文化交流に役立つことにもロマンを感じた」という渡さん)

―実際にプロジェクトに参加してみていかがでしたか? ご自身に何か変化はありましたか?

若尾さん:「はい、最初は『何か手伝えれば……』くらいの気持ちでしたが、プロジェクトが進んで行くうちに、『ぜひこの活動を続けてもらいたい』『このプロジェクトで成果を出し、今後の活動拡大に寄与したい』という想いを抱くようになりました。気づけば完全に“当事者”になっていましたね。」

渡さん:「僕は高松さんや自社以外のプロジェクトメンバーと活動することで、自分の知らない世界があるということを目の当たりにしました。本業のやり方が通用しないので最初は戸惑いましたが、手探りでも積極的に物事に取り組んで行く姿勢が身についたと思います。」

石毛さん:「僕も同じですね。バックグラウンドの異なる人たちとのプロジェクトでは、自分が積極的に関与しない限り、メンバーとの関係性も推進したい事業も前に進みません。サポートプロジェクトに参加したことで、このことを強く実感しましたし、自ら率先して働きかけることで、周りも自分も変えていけるのだと学びました。」

若尾さん:「サポートプロジェクトに参加する人たちは、意欲的かつ活動的な方々なので、影響を受けたのだと思います。僕も何事にも前向きに取り組めるようになりましたし、新しい活動によって得られる達成感やワクワク感を知ったことで、失敗を恐れずチャレンジしようという気持ちが芽生えました。」

(「異業種の方と活動を共にすることで、多角的な視点や価値観を持つことができるようになった」と若尾さん)

―今日のワークショップも、社外のプロジェクトメンバーと高松さんと協働で実施したものですよね。初めて自分たちで企画したワークショップの感想をお聞かせください。

渡さん:「想像しなかったことがたくさんあって大変でした。事前に大人だけでリハーサルをしましたが、実際に子どもたちが集まるとリハーサル通りにはいかず……(笑)。参加者には楽しんでもらえたとは思いますが、改善点ばかりです。」

石毛さん:「準備段階でもいくつかのハードルがありましたね。例えば、こいのぼりにするための筒状の生地や筆洗いの容器は自分たちで手作りしたものですが、これらの準備に思ったよりも時間がかかる。また会社を巻き込んだイベントなので、総務部の方に掛け合って交渉することもしましたが、やり慣れた仕事とは違い手間取りました。高松さんは普段、こうしたことを本業の合間に一人でされている。それなのに、いつ会っても“大変そう”ではなく、“楽しそう”なんですよ。そんな高松さんの姿もモチベーションになりました。」

若尾さん:「確かに、いつも楽しそうに活動している高松さんには会うたびに刺激をいただきました。今日のワークショップはやり残したことも多くありますが、『小学校のイベントで実施したい』と話してくれた参加者の方もいて、当初の『会社や社員の方にKOINOBORIプロジェクトを知ってもらう』という目標は達成できたと思います。」

(「自分自身をアップデートし続けるために、今後も積極的に物事に取り組んでいきたい」と石毛さん)

―最後に、これからサポートプロジェクトに参加したいと思っている方々へのメッセージをお願いいたします。

若尾さん:「活動期間中、とても充実した日々を過ごすことができました。仕事とプライベートの合間を縫って活動に参加するのは大変ですが、やってみる価値はありますよ。」

渡さん:「まずはコモンルームに参加してみると良いと思います。その中で自分の心が動くプロジェクトがあれば活動してみればいい。僕にとってはcoyomiでの活動が初めてのボランティアでしたが、活動への共感があったからこそ続けられました。これからもできる範囲でサポートしていきたいと考えています。」

石毛さん:「3か月間やり通せば、必ず何か得られるものがあります。ご自身を成長させたいと少しでも感じるタイミングがあるのであれば、積極的に参加すると良いと思います。今まで関わり合いのなかった方々との素敵な出会いが必ず待っています。」

KOINOBORIプロジェクトは、企画をする人も参加する子どもたち・大人たちまで、すべての人をわくわくさせるプロジェクトでした。三人の言葉を借りるのであれば、「一点の曇りもない」プロジェクトです。

その背景にあるのは、高松さんをはじめこのプロジェクトに携わる人々の「やってみよう」、「楽しそう」という、子どものように純粋で真っ直ぐな好奇心だと言えます。そういった純粋な原動力をもって思い切って挑戦し行動できるのは、1枚目の名刺ではなく2枚目の名刺ならではかもしれません。そして2枚目の名刺での活動が、1枚目の名刺でも前向きになれるようなヒントをくれるのです。

5月の雲一つない青空にこいのぼりが泳ぐように、このKOINOBORIプロジェクトも人々の一点の曇りのない熱意と好奇心によってぐんぐんと前に前進しているようでした。

次回は、KOINOBORIプロジェクトの発起人で、オートクチュールデザイナーの高松さんにお話しを伺います。

 

\5月5日こどもの日に開催!/
「KOINOBORIワークショップ」
こどもの日をゴルフ場で遊びつくそう!
coyomiサポートプロジェクトメンバーが企画した「KOINOBORIワークショップ」が5月5日(祝)に栃木県のゴルフ場・セブンハンドレッドクラブで開催されます。
子どもと一緒に世界で一つだけのこいのぼりを制作する「こいのぼりを作ろう!」のほか、ゴルフやサッカーとゴルフを融合させたフットゴルフの体験など、子どもと大人が一緒になって楽しめるアクティビティーが盛りだくさん!
広いゴルフ場に世界各国の子どもたちが制作したこいのぼりと、この日制作したこいのぼりが掲げられます。
お子さんが世界各国の人々表現手法に触れ、様々な個性があることを知るきっかけにしてみませんか?

【開催日時】2019年5月5日(祝)※雨天決行
・午前の部:10:30〜12:30
・午後の部:14:00〜16:00
【開催場所】セブンハンドレッドクラブ
栃木県さくら市早乙女2370
【定員】小学生くらいまでのお子様各回50名
【費用】無料
【持ち物】汚れても良い服

電話にてご予約ください(定員になり次第締切):028-686-0700

 

\5月1日にも開催!/
海老名市立図書館前 芝生広場でも同プロジェクトの「KOINOBORIワークショップ」が行われます。どなたでも先着順で参加できるので、GWに出かけてみて!

【開催日時】2019年5月1日(祝)
・午前の部:10:00〜12:00
・午後の部:13:00〜15:00
【開催場所】海老名市立図書館前 芝生広場
神奈川県海老名市めぐみ町7-1
【定員】各回30名
【費用】無料
【持ち物】汚れても良い服
先着順のため申込不要です

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ライター

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篠崎紗英
篠崎紗英
ライター
社会人2年目のSE。学生時代は教育系NPOのインターンとして、子ども向けイベントの企画・運営や障害児支援活動に携わる。入社後「社外の人ともっと出会ってみたい」という思いから2枚目の名刺での活動を開始。執筆活動を中心に活動中。
はしもと ゆふこ
はしもと ゆふこ
編集者
カメラマン
2枚目の名刺webマガジン編集者。 出産を機に出版社を退職し、ママ向け雑誌や広告、Webメディアなどで編集・ライターとして活動している。
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