【サポート先 団体インタビュー】NPO法人エンリッチ代表が語る-二枚目の名刺 サポートプロジェクト の真価とは?

孤独死を防ぐために、LINEによる見守りサービスを提供している、NPO法人エンリッチ。
代表理事である紺野功さんに、「二枚目の名刺」からサポートを受けたことによる成果・課題などを伺いました。

まず、「二枚目の名刺」を知ったキッカケを教えてください
紺野さん:
実は「二枚目の名刺」のサポートを受けたのは今回が2回目でした。1回目は、2019年に「二枚目の名刺」側から当団体にサポートを受けないかとアプローチがありました。そこで、初めて「二枚目の名刺」という中間支援団体の存在を知ったわけです。
1回目のサポートは、2018年9月にNPO法人を立ち上げ、11月からサービスを開始したばかりのタイミングでした。そのため、まだ当団体の活動が世間に周知されていない状態でした。そこで、「二枚目の名刺」のサポートを受け、当団体の認知度を上げげることを狙いとしていました。1回目のサポートでは、IT企業の社員の方にさまざまなサポートをしていただきました。
具体的な成果物としては、質問に答えることによって自分が孤独死してしまう確率を計算する「孤独死診断システム」の構築。Googleフォームを活用したアンケートの製作をしていただきました。このアンケートは、今でも活用しています。
再び「二枚目の名刺」のサポートを受けようと考えた理由は何ですか?
紺野さん:
1回目のサポートを受けたことで、当団体の知名度アップという成果をあげることができました。また、IT企業の社員の皆さんも、親身になって考えていただき、私たちのニーズに沿った成果物を作成してもらえました。そのため、「二枚目の名刺」のサポートに、とても好印象を持ったわけです。
そこで、2025年に再び「二枚目の名刺」のサポートを受けたいと考え、今度は当団体の方から、「二枚目の名刺」の方にオファーをさせていただきました。
今回(2回目)のサポートで解決したい課題はどういったものでした?
紺野さん:
当団体では、民間企業の顧客開拓を目指していますが、なかなか芳しくない状態でした。そのため、「二枚目の名刺」のサポートで解決したいと考えていました。
具体的には、顧客開拓のためのプレゼン資料作成を依頼したいと思いました。従来は、プレゼン資料を当団体の担当者が作成していました。そのため、どうしても主観的な内容となってしまい、また資料のボリュームも膨大となり、見込み客へのプレゼン資料としては相応しくありませんでした。
そこで、「二枚目の名刺」のプロジェクトメンバーに、客観的かつ見込み客にインパクトのあるプレゼン資料の作成を依頼したわけです。
今回のサポートの成果物の出来については、どう思われましたか?
紺野さん:
今回の活動の成果物であるプレゼン資料は、客観的かつポイントを絞った内容となっており、満足しています。しかし、実際に何社かにこのプレゼン資料を活用して、提案してみたのですが、まだ成約までにはつながってない状況です。今後に期待したいと思っています。
今回のサポートを受けたことによって良かった点は何でしたか?
紺野さん:
1点目は、今回のプロジェクトのファシリテーターを努めてくれた、サポートプロジェクトデザイナー(以下、SPデザイナー)の方がとても素晴らしい動きをしてくれたことです。
プロジェクト内で定期的に開催されたミーティングの際に、場の空気を読み私とプロジェクトメンバーの繋ぎの役割を果たしてもらったため、非常に助かりました。
具体的には、今回のプロジェクトメンバーの社会人の方々は、お互いに気を遣っていたことから、各人が本当に言いたいことを言えない、つまり議論がしづらい雰囲気になっていました。そのようなときに、話を進めていけるように各メンバー間の潤滑油の働きをしてもらい、活発な議論ができるようになりました。
2点目は、「二枚目の名刺」の体制が良かった点です。SPデザイナーはもちろんのこと、その他の方も含めて理念が統一されていること。また、「二枚目の名刺」のシステマティックな仕組みや、プロジェクトの運用の仕方がしっかりしているため、プロジェクトオーナーの立場として、とても心強く安心できました。
3点目は、プロジェクト参加者の社会人の意識が高かった点です。仕事が忙しい場合であっても、プロジェクトの活動をおろそかにしない点に感銘を受けました。具体的には、定例会にプロジェクトメンバーが誰一人欠けることなく、全員出席している点が素晴らしいと思いました。
今回のサポートを受けたことによって苦労した点は何でしたか?
紺野さん:
今回の課題に対応するにあたって、私とプロジェクトメンバー間で「思い」というか「理念」の相互理解に時間がかかった点です。そのため、課題解決の方向性が定まらずに、右往左往するといった事態になってしまいました。
プロジェクト発足後に、なるべく早いタイミングで、プロジェクトメンバーと飲み会を開催した方がよかったという点が反省点でしょうか。懇親会を通じて、私とプロジェクトメンバーの双方が心理的な壁をなくし、なんでも言い合えるような関係性にしておいた方が良かったと今では思います。
また、できるだけ対面の場を増やして、「思い」の理解に早く努めていればとも思っています。他にも、あらかじめ課題毎に担当者を決めておいた方が、よりスムーズにプロジェクトが進んだかもしれないと思いました。
プロジェクトメンバーの中には、生成AIを活用して課題検討を行ってくれた方もいました。しかし、生成AIが出した答えは、私が今まで培ってきた知見・経験を超えるような違った視点による提案内容ではありませんでした。
そのような中、プロジェクトメンバーの一人が、自ら積極的に見守りシステムを既に利用しているユーザに、利用者の声をヒアリングをしてくれました。その際、先方へのアポ取りや実際のヒアリングも主体的に活動いただけました。この方の課題対応への取り組みを見て、感謝するとともに私も学びがありました。
今回のサポートに対する全体的な感想はどうでしたか?
紺野さん:
サポートを受ける側が、「二枚目の名刺」に対して何を依頼すべきか?を明確にしないと、団体側が望む成果物のアウトプットが難しいとわかりました。つまり、ただ依頼をすれば「答え」が出るということではないということです。
また、サポートを受ける目的・成果物のイメージを団体側で明確にして取り組まないと、団体側が思い描くような成果物は出ないということがわかりました。
「二枚目の名刺」の良いところはどういったところでしょうか?
紺野さん:
やはり、トップの方の思いや考え、ポリシーが素晴らしい点ではないでしょうか。一本柱が通ったような事業理念が魅力だと思います。こういったことは、マネをすることが難しいため、「二枚目の名刺」のような信頼できる中間支援団体は他にないのだと思います。
最後に、「二枚目の名刺」に改善してほしいところは?
紺野さん:
企業と支援を受けたい団体が、ダイレクトにやりとりができれば….と思っています。そのため、企業と支援を受ける団体がマッチングできるような機能があれば、さらに「二枚目の名刺」への参加希望者が増えるかと思っています。
なお、企業と支援を受けたい団体が結びついても、信念・ビジョン・ミッションが相互理解されていないと、お互いにとってよい結果は生まれません。そのため、信念・ビジョン・ミッションを事前に合意しておく必要があります。
企業と団体間の信念・ビジョン・ミッションのギャップを埋めるために、「二枚目の名刺」のような、中間支援団体にサポートしてもらえるとうれしいです。
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