二枚目の名刺１５周年記念イベントレポート

2024年9月28日（土）、東京都渋谷区にて「二枚目の名刺」15周年記念イベントを開催いたしました。本イベントでは、これまで「二枚目の名刺」に関わってくださったOB・OGの皆さま、NPO関係者の方々、そして社会人の参加者をお招きし、感謝の気持ちをお伝えするという趣旨のもと行われました。当日は総勢100名以上の皆さまにご参加いただき、会場は久しぶりに仲間と再会した喜びに満ち溢れ、温かな雰囲気に包まれていました。

▶️イベントショートムービーリンク

第一部は、「二枚目の名刺のこれまでの歩み」について、創業メンバーである大山みのりさんより、設立のきっかけや当時のエピソードをお話いただきました。大山みのりさんは、記念すべき第１回のサポートプロジェクトリーダーを務められましたが、サポートプロジェクトを通して得られる知識や人の輪の広がりなどの刺激は、15年を経ても変わらない価値であることが語られました。

第二部は、二枚目の名刺と関わりの深いゲストの方から、それぞれの取り組みをお話いただきました。認定NPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子氏は、「NPO環境の変化と二枚目の名刺」をテーマに講演されました。社会におけるNPO活動の重要性や、その継続を阻むボトルネック、そして課題解決に向けて必要な取り組みについて具体的に言及されました。渡辺氏は、公的機関や民間では対応が難しい社会課題に対し、問題意識を共有し、共に解決に取り組む仲間の存在が不可欠であると強調。その仲間をつなぐ役割を「二枚目の名刺」に期待していると述べ、講演を締めくくられました。

▶️渡辺氏ご講演フル動画

コクヨ株式会社 HR戦略推進部の山口政徳氏は、「コクヨの取り組み事例と二枚目の名刺への期待」をテーマに講演されました。山口氏は、従業員が自ら選択して社内外で活躍するための施策について紹介。その中で、従業員が社会課題に触れ、地域社会で価値を発揮する手段として「二枚目の名刺」が果たす役割に注目しました。また、今後も「二枚目の名刺」がNPOと従業員をつなぐ架け橋としての機能を担うことを期待していると述べられました。

▶️山口氏ご講演フル動画

法政大学大学院 制作創造研究科の石山恒貴教授は、「越境学習と二枚目の名刺ー果たしてきた役割とこれからー」をテーマに講演しました。石山氏は、越境学習を「安心できるホーム」と「刺激を受けるアウェイ」を行き来しながら得る学びと定義し、研究や出版を通じてその意義を探求してきました。また、「二枚目の名刺」のサポートプロジェクトを通じ、参加者の心理的・認知的変化を一般化して解説。越境学習が注目されつつも、企業での実践が限定的である現状を指摘し、「二枚目の名刺」が普及に寄与することを期待すると述べました。

▶️石山氏ご講演フル動画

第三部は、代表の廣より「新たな価値創造に向けて」をテーマに講演しました。「二枚目の名刺」のこれまでの歩みを振り返り、これから二枚目の名刺として注力してゆきたい３つの取り組みとして、ミドル・シニア層に対して社会に貢献し続ける活躍の場をデザインすることや、越境学習としての質を高めるための様々な取り組み、ソーシャル業界発展への貢献を追求などを表明しました。

▶️代表フル動画

第四部は、「二枚目の名刺のこれから」というテーマで、４人のゲストが各立場から「二枚目の名刺」に期待することをお話しいただきました。

ハウス食品株式会社 新見拓平氏は、企業の人事でキャリア開発に取り組まれています。新見氏は、キャリア開発において、「自分はどうありたいか、個人のパーパスを明確にする」ことが大事であり、想いでつながる「二枚目の名刺」のサポートプロジェクトは、改めて自分は何をしたいのか気づくための最適な機会であると評価しました。

NPO法人ろーたす　松下祥貴氏は、大阪で子ども・若者支援を行っているNPO団体の代表を務めており、「二枚目の名刺」のサポートプロジェクトをご利用いただきました。NPOの若いメンバーが「二枚目の名刺」を通して社会人と接点を持つことで成長する場としての意義をお話しされました。

日本生命相互会社　宮崎まゆ子氏は、長年、社会貢献活動を企業風土として定着させることに取り組まれてきました。「二枚目の名刺」が世代間交流を促し大人の居場所として機能することや、企業とNPOの連携促進を期待するとのことでした。

（独）労働政策研究・研修機構　小野晶子氏は、高齢者の就業やパラレルキャリアの促進について研究しています。小野氏は、企業の中でボランティアなどの社会貢献活動に興味がある人は6割もいるが、時間的制約から、実際に活動している人は1割にも満たない現状を指摘。ボランティア休暇の必要性を広く世の中に訴えるべきとのご提案をいただきました。

▶️トークセッションフル動画

参加者同士で感想をシェアしあう時間では、時間が足りなくなるほどに活気が溢れていました。その後の懇親会では、創業メンバーの一人であり、現在株式会社ココナラの代表取締役会長である南章行さんの乾杯の言葉に始まり、世界で活躍する元二枚目の名刺のメンバーからのお祝いのメッセージの読み上げや、イベントに参加してくださったOB・OG、NPO代表の自己紹介などで大いに盛り上がりました。１５周年という記念すべき時に、「二枚目の名刺」という共通テーマで様々な関係者の方が一堂に会し、その存在意義について共有できたことは大変有意義でした。「二枚目の名刺」の運営メンバーからもイベントをやってよかったとの声があがりました。二枚目の名刺のこれからについて、皆様のご期待にお応えできるよう、より一層努力を重ねてまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。