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「ミドルシニアの越境学習」- ミドルシニア世代の“経験者”によるトークセッション

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今回のトークセッションのテーマは『ミドルシニアの越境学習』。
二枚目の名刺でプロジェクト活動を経験したミドルシニア世代の3名に登壇いただき、越境活動を始めたキッカケや活動を行ったことで自分に起きた変化などについて、トークセッションを実施いたしました。

※2025年8月26日にオンラインで実施いたしました、
『第39回二枚目の名刺ってなんなん?』のトークセッションを記事にしております

 

たーさん:
長野県の企業で経理を担当しています。中小企業診断士の資格を取得したので、診断士の知見を活かしてNPO法人のサポートをしたいと考えています。

さいこさん
一般社団法人で、地方自治体を対象にしたメンタルヘルス関連のコンサルで営業・企画をしています。また、大学院で「中高年会社員のプロボノ参画」の研究をしています。

アンクルさん:
IT企業を定年退職し、現在は社会貢献活動をライフワークとして、活動しています。

 

Q1:本業をやりつつ越境して社会貢献的な活動をし出したのはいつ頃でした?初めての活動は何をしました?

たーさん:今(2025年)から2年ほど前です。本業で経理を長年担当していたこともあり、NPO法人の経理全般・クラウドファンディング・寄付金集めのお手伝いをしました。

さいこさん:昨年(2024年)1~2月頃です。「ひきこもり支援団体」で、トークイベントの主催やクラウドファンディングの手伝いをしていました。その後、今年(2025年)の1月頃からは、社会福祉協議会の業務支援を、半年間務めていました。

アンクルさん:越境学習を始めたという意味では、同じ社内ですが、それまでのエンジニアの仕事とは異なる今まで経験したことがないジャンルの部署が本社に新設され、そこに異動になった時です。そこで自分の視野の狭さを痛感し、世の中をもっと知りたいと思い、文系の大学に編入したんです。

 

Q2:なぜそのタイミングで「社外で活動してみたい」と思ったのか?キッカケは何?

たーさん:経理の仕事をする中で、お金を通して企業経営全体を観る機会がありました。この業務を通じて企業経営に興味を持ち、そのためのスキルを習得したいと考えていました。その中で、中小企業診断士という資格を知り、今(2025年)から2~3年前に、中小企業診断士の資格を取得しました。中小企業診断士の資格を維持するためには5年間で最低30日間、中小企業やNPO法人のコンサル実務をしなければなりません。そのため、NPO法人のコンサルをボランティアとして手伝うことにしました。

さいこさん:私が社外で活動をしようと思った理由は2つあります。
1つめは、今勤めている一般社団法人の業務改革のためです。私は、その法人が初めて採用した民間出身者でした。民間出身の私の目から見ると、経理や労務管理といったものがキチンと整備されていないように感じました。そのため、民間企業で働いている経理や労務管理に精通した社員の方を、プロボノとして迎えようと思いました。プロボノとして力を借りるためには、私の上司を説得しなければなりません。そのためには、プロボノとはどういうものかを説明する必要があります。そこでまずは私自身がプロボノの活動に取り組むことで、プロボノの役割を理解しようと思いました。
2つめは、勤めている一般社団法人が小規模な組織であったこともあり、私の「ビジネススキル」が停滞しているのではないかと焦りや不安がありました。そのため、他の企業の社員の方から学ぶために、参加することにしました。

アンクルさん:先ほども触れましたが、現場から本社へ異動となり、現場と本社間のカルチャーギャップに悩みました。まさに越境の体験でした。その中で、自分の視野の狭さ、まさに「井の中の蛙」状態だったことに気づき、もっと広く世の中を知りたいと思い、通信制大学に入りなおしました。
それが、その後のNPO法人の手伝いをすることにもつながりました。
NPOの支援をやってみたことで、この活動の「おもしろさ」を知り、今に続いています。

 

Q3:やってみてどうでしたか?何か心に変化はありましたか?

たーさん私は、「引きこもり」支援のNPO法人の経理業務をサポートしました。実際に、NPO法人で手伝いを行っていくことで、社会課題を応援する活動の大切さがあらためて分かりました。また、NPO法人で活動している方々が、自分が手伝っていることに対して、とても感謝をしてくれました。そのため、自分が誰かの役に立っていることを実感し、うれしかったですね。この経験をキッカケに、何か困っている人のサポートをすることに、前向きに取り組むようになりました。

さいこさん:自分より若い方たちと一緒に課題に取り組むことで、若い方のITスキルの習熟度や資料作成の早さといったことや、プロジェクトの進め方に刺激を受けました。私は、このいい意味でのショックを糧に、ITスキル向上やプロジェクトの進め方を勉強し、今では法人で人に教える立場にまでなりました。とてもいい経験だったと思います。

アンクルさん:新たな分野であっても、「やればできる」ということが分かりました。他にも、さまざまな人たちとプロジェクトを推進していく中で、まだまだ知らない世界があることがわかりました。また、若い方たちと上手くやっていくためには、説教したり偉ぶらない、決めつけないということが重要であることが再確認できました。若い方に対しては、むしろ教えを乞うような気持ちで接するといいこともわかりました。

 

Q4:今、社外で活動しようかどうか悩んでいる方がいたとしたら、その方になんてお声がけしますか?

たーさん:NPO法人は小規模な組織が多く、困っている人も多くいます。そのため、皆さんの力が必要とされています。ぜひ、力を貸してほしいと思います。また、とにかく活動に飛び込んでみてください。飛び込んでしまえば、意外に何とかなるものです。

さいこさん:私も最初は活動をやっていく自信がなく、活動に飛び込むには勇気がいりました。実際に活動をやってみてわかったことは、社会人の持っているスキルは貴重な戦力になるということです。また、活動を行うことで何も失うモノはなく、得るモノしかありません。そのため、ぜひ勇気を持って一歩踏み出してほしいと思います。

アンクルさん:まずはハードルが低いボランティア活動からスタートすることをお勧めします。二枚目の名刺での団体支援は、特別なスキルがなくても参加できますので入り口としてはよいと思います。但し、ハードルは低くても活動内容は決して楽ではないです。活動内容が楽ではないからこそ、活動終了時に得られる達成感も大きいと思います。ぜひ、二枚目の名刺の活動に飛び込んでみてください。

 

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ライター

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編集者

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てつさん
ライター
2022年に前職(システムエンジニア)を退職し、ライターとして独立。 IT業界での管理職経験と金融の知識を活かし、これまでに100本以上の記事を執筆。 得意ジャンルはDX、IT、ビジネス全般、投資、保険、金融全般。 近年は経営者のインタビューに注力している。
二枚目の名刺 編集部
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