“2枚目の名刺”を持つということ 〜教員と社労士が語る「越境」のリアル〜

本業を持ちながら、3カ月間の期間限定でNPOの支援プロジェクトに参加する「二枚目の名刺」。今回は、実際にプロジェクトに参加し、現在はサポートプロジェクトのデザイナー(伴走役)を務めるお二人にお話を伺いました。
※2025年12月4日にオンラインで実施いたしました、
『第41回二枚目の名刺ってなんなん?』のトークセッションを元に記事にしております

二枚目の名刺 サポートプロジェクトデザイナー。本業は中高の理科教員。昨年、はじめてNPOの支援プロジェクトに参加。

二枚目の名刺 サポートプロジェクトデザイナー。本業は社会保険労務士。2、3年前にNPOの支援プロジェクトに参加。

二枚目の名刺 サポートプロジェクト事務局
1:飛び込んだきっかけは「社会とのつながり」と「好奇心」
カズさん:お二人は本業もかなりお忙しいと思いますが、なぜあえてNPO支援のプロジェクトに飛び込んでみようと思ったのでしょうか?
まいこさん:私は2~3年前に参加したのですが、もともと「新しいチャレンジをしてみたい」という気持ちが強かったんです。社労士として人事労務の仕事はしていましたが、それとは違う社会との関わり方や、新しい出会いを求めて参加しました。
きりさん:私には2つの理由がありました。一つは、学校の職員室という閉ざされた空間以外の社会とつながりたかったこと。もう一つは、高校の新科目「総合的な探究の時間」を設計する上で、学校外の知見が不可欠だと感じたからです。
カズさん:お二人とも「社会貢献するぞ!」と肩肘を張るよりは、好奇心や軽いノリでスタートされた感じですね。
2:3ヶ月のプロジェクトで何を目指したのか
カズさん:具体的にはどのような団体で、どんなゴールを目指して活動したのですか?
まいこさん:私は大阪の「株式会社アッテミー」という、高卒就職支援を行う団体で活動しました。特に「広報による認知度向上」や「営業の効率化」などに取り組み、3ヶ月で7~8割ほど形にできました。実は今でもその団体とは関わりが続いています。
きりさん:私はアフリカのマラウイ共和国を支援するNPOで、賛助会員を増やすための施策を考えました。広報チラシのブラッシュアップや、学生と協働した企画などを行いました。直接的な会員増というゴールには届きませんでしたが、いろいろなバックボーンを持った人たちと活動することで、さまざまな学びが得られました。プロジェクト後もメンバーと団体の「緩いつながり」が続いていることも大きな成果だと感じています。
3:「支える側」であるデザイナーへの転身
カズさん:お二人は現在、プロジェクトの伴走役である「デザイナー」を務めています。実際にプロジェクトで活動する「プレイヤー」から支える側になろうと思ったのはなぜですか?
まいこさん:私は自分が目立つよりも、誰かが挑戦する舞台を整えたり、後押ししたりする「下支え」の役割が好きなんです。社会人の方々がうまく活動できるようにお膳立てをするデザイナーは、自分に合っているなと感じました。
きりさん:プレイヤー一人の力には限界があると感じていたからです。デザイナーとして、それぞれのメンバーが持つリソースをうまく組み合わせて、一人の力ではできないことが実現する瞬間を見ることに、すごくやりがいを感じます。
カズさん:私も野球部時代、試合前のグランド整備や背中を叩いて送り出す役割が好きだったので、その感覚はよく分かります。
4:越境学習が本業にもたらした変化
カズさん:プロジェクトを通じて学んだことは、本業に活かされていますか?
まいこさん:中小企業がどのような視点で活動しているのかという理解が深まり、今の社労士業務でも参考になっています。
きりさん:スキルの面では、学校ではあまり使わない議事録ツールやオンラインのファシリテーションなど、プロジェクトを進める基本を学べたのが大きいです。また、「時間の使い方の変化」もありました。活動を始める前はプライベートの時間がなくなるかもと心配でしたが、活動があるおかげで逆に本業を効率よく進める意識が芽生えました。
最後に:一歩踏み出そうとしている方へ
きりさん:よく「本業の役に立つの?」と聞かれますが、役に立つかどうかで判断しすぎないことが大切だと思います。余暇活動としてプレッシャーなく飛び込んでみる勇気が、新しい人のつながりを生んでくれます。
まいこさん:少しでも興味があるなら、まずは飛び込んでみてください。活動をすることで、むだになることはありません。企業に勤めていて閉塞感を感じている方こそ、外の人と話すことで新しい気づきや発見があるはずです。
カズさん:20代から60代まで、いつ始めても遅すぎることはありません。自分の人生を豊かにするために、ぜひ飛び込んでみてください。
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編集者
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