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福島12市町村ソーシャルコラボレーションプロジェクト Vol.2 — 主催・運営が振り返る、共働プロジェクトの手応え

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(TOP写真:左は福島相双復興推進機構 川尻圭介さん、右は二枚目の名刺 カズさん)

福島12市町村ソーシャルコラボレーションプロジェクトでは、福島県相双地域等で活動する団体と、都市部のプロボノ人材がチームを組み、約3カ月にわたって共働しました。

Vol.1では参加団体の声を紹介しましたが(Vol.1記事はこちら)、本記事では主催(福島相双復興推進機構 川尻圭介さん)・運営メンバー(二枚目の名刺 カズさん)による振り返りから、プロジェクトの舞台裏や手応え、そして今後に向けた学びをお届けします。

参加者の声から見えた、大きな手応え

プロジェクト終了後、参加したプロボノ人材へのアンケートを実施しました。

そこで多く挙がったのが、「福島の現状や地域活動への理解が深まった」という声でした。現地のNPOや地域で活動する人々と直接関わることで、外からは見えにくい地域の実情や、長期的に取り組む必要のある課題への理解が深まったという声が多く寄せられました。

また、参加者からは次のような変化も報告されています。

●多様なメンバーとの共働を通じた学びと成長
●自分のスキルが社会の中でどのように活かせるかという再発見
●地域と関わり続けたいという意欲の高まり

主催者からは、

「福島県相双地域等の課題に対して関心を持ち、一緒に課題に取り組んでくれる仲間(関係人口)を増やすという目的に照らしても、非常に手応えのある結果だった」

という振り返りの声もありました。

 

成功の背景にあった「伴走型」のプロジェクト設計

今回のプロジェクトでは、団体と参加者の間に「プロジェクトデザイナー」が入り、伴走する形でプロジェクトが進められました。プロジェクトデザイナーは、ミーティングの進行や対話の整理などをサポートしながら、必要に応じてチームに入り、参加者と一緒に現場での活動に関わる役割も担います。

振り返りの中では、

「成果物だけでなく、プロジェクトの進め方そのものが高く評価されたのではないか」

という意見もありました。

実際、参加者の離脱はゼロで、プロジェクト終了後も関わり続けたいという声が多く見られたことからも、深い関係性が築かれていたことがうかがえます。

 

共働プロジェクトならではの難しさ

一方で、プロジェクト運営の中で見えてきた課題もあります。

例えば、参加者の「やってみたい」という活動内容と、団体が「やってほしい」取り組みの間に、ときとしてギャップが生まれたことです。社会人・学生の新しい視点は、団体にとって大きな刺激となる一方で、現場の状況とのバランスをどう取るかは簡単ではありません。

振り返りの場では、

「参加者の意欲を大切にしながら、団体の課題とどう重ねていくか。そのバランスを取ることが重要」

という意見も共有されました。

こうした調整を行うことも、プロジェクトデザイナーの役割の一つです。

団体と参加者の双方の声を聞きながら、対話を重ね、チームの方向性を調整していく。
そのプロセス自体が、共働の価値を生み出していたとも言えます。

 

福島で生まれた「関係人口」の芽

3カ月という期間は、長いようで短いものです。しかし、その中で新たに生まれた福島県相双地域の方との出会いや関係は、プロジェクト終了後も続いていく可能性を秘めています。

振り返りの中でも、

「今回の取り組みは、福島と関わる入口としてとても良い形だった」

という声がありました。

すべてを完成させるのではなく、次につながる余白を残すこと。
それが、関係人口を生み出すプロジェクトの一つの形でもあります。

 

今後に向けて

今回の取り組みは、主催・運営メンバーにとっても多くの学びをもたらしました。

参加者の募集方法や、団体との事前コミュニケーション、プロジェクト運営の工夫など、次回に向けた改善点も浮き彫りになりました

それでも、

「まずは一歩目として、とても良いスタートだった」

という実感は、多くの主催・運営メンバーに共有されました。

福島12市町村で生まれたこの共働の取り組み。
これからも、地域と人をつなぐ新しい関係づくりとして、チャレンジしていきたいと思います


 

編集後記

今回の記事では、福島12市町村ソーシャルコラボレーションプロジェクトを主催・運営する立場から、プロジェクトの振り返りをお届けしました。

団体の声を紹介したVol.1に続き、今回は運営の視点から振り返ることで、このプロジェクトがどのような思いや試行錯誤の中で進められてきたのか、その舞台裏にも触れることができたのではないかと思います。

地域で活動する団体と、都市部のプロボノ人材が出会い、約3カ月間の共創を通して関係性を育んでいく。その過程には、うまくいったことだけでなく、調整や対話を重ねながら進めていく難しさもありました。それでも、このプロジェクトを通して福島県相双地域に関心を持ち、地域と関わり続けたいと感じた参加者が生まれたことは、とても大きな意味を持つ出来事だったように感じます。

この取り組みが、地域と人をつなぐ新しい関係づくりの一歩として、これからどのように広がっていくのか。今後の展開にもぜひご注目ください。

 

関連リンク:

福島12市町村ソーシャルコラボレーションプロジェクト Vol.1 — 参加3団体に聞く”3カ月間の共働のリアル”

二枚目の名刺の活動については
こちらでも紹介しています。
NPO法人 二枚目の名刺 公式サイト

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てつさん
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2022年に前職(システムエンジニア)を退職し、ライターとして独立。 IT業界での管理職経験と金融の知識を活かし、これまでに100本以上の記事を執筆。 得意ジャンルはDX、IT、ビジネス全般、投資、保険、金融全般。 近年は経営者のインタビューに注力している。
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