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【イベントレポ】働き方を考えるカンファレンス2017ー「これからの働く環境とワークスタイル」

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今の「働く環境」そして「働き方」は、自分にとってベストなのか。もしベストではないのなら、何をどう変えていくべきなのか。ワークライフバランスを考えるうえでも、仕事の質を高めるうえでも、避けることはできないこの2つのテーマは、「二枚目の名刺」ホルダーに限らず、働く人の多くが関心を持っているに違いない。

2017年2月15日に一般社団法人at Will Work主催の「働き方を考えるカンファレンス2017」内で「働く環境・ワークスタイル」をテーマにしたセッションが行われた。

モデレーターを務めたのは「&Co. 」の代表取締役であり、新しい働き方の祭典「TOKYO WORK DESIGN WEEK 」のオーガナイザーである横石崇さん

パネラーとして登壇したのは、京都大学で人工知能の研究したのち、13職を渡り歩き、現在はバリ島を拠点に人・事業を紡ぐことに従事している尾原和啓さん

岡村製作所に勤務し、「はたらく」の新しい価値を挽きだすメディア「WORK MILL」の編集長、エバンジェリストとして情報発信をしている遅野井宏さん

リクルートホールディングスで「はたらく育児」を応援するプロジェクト「iction!」の事務局長を務めている二葉美智子さん

福岡で株式会社Zero-Tenを創業し、映像制作やアート関連事業を行う傍ら、日本最大級のコワーキング&オフィススペース「The Company」を運営している榎本二郎さん

まさに今、世の中に新たな「働く環境」と「ワークスタイル」を生み出している4名のパネラーのセッションから、今世の中で求められている「働く環境」と「ワークスタイル」、そして新たな環境とスタイルを有効活用するために、ワーカーはどうあるべきなのかが見えてきた。

会場にいるすべての人が、リモートワークの最新形を体感!

セッションがスタートして一番衝撃だったのが、尾原さんがロボットで登壇したこと。実際の尾原さんはもちろん生身の人間だが、現在バリ島のウヴドを拠点にしており、Double Roboticsというタブレットに移動用の車輪が合体したようなマシンでミーティングに参加したり、今回のようなセッションに登壇したりしているようだ。

これにより、リモートワークでもリアルに近いコミュニケーションをとることが可能であることを、その場にいたすべての人が体験することができた。

尾原さんのように、毎日決まったオフィスに出社しない働き方もじわじわと広がりを見せている。それは従来のような「同じ組織に所属する人たちが、週5日同じ場所に集まって仕事をする」というワークスタイルがフィットしないと感じている人が増えてきているからかもしれない。パネラーの4人は、そんな世の中の変化に対して、それぞれの形で新しいワークスタイルを提案している。

「はたらく」を見つめることが、よりよい環境づくりにつながる

遅野井宏さんが所属する岡村製作所は、オフィス家具を製作するとともに、オフィス空間をプロデュースする企業でもある。

遅野井さん自身は、新卒で就職したキヤノンでプリンターの事業企画を長年経験した後に、社内変革を担当。転職したマイクロソフトではワークスタイル変革コンサルタントとして活動し、現在は筑波大学大学院で経営システム科学を専攻し、研究を続ける「二枚目の名刺」ホルダーでもある。そんな遅野井さんが、岡村製作所で現在担っているのが、同社のおけるこれからの働き方を考えるプロジェクト「WORK MILL」のリーダーと、同盟のメディアの編集長とエバンジェリストの役割だ。

遅野井:「『WORK MILL』には二つの意味が込められています。ひとつは日本語の“見る”から“働き方を多面的に見よう”という意味。もうひとつは、英語の“MILL”=挽くから、“はたらくことの新しい価値を挽きだしていこう”という意味です」

岡村製作所にとって、多面的な働き方のリサーチを通じて、情報の蓄積と発信をすることで、より理想的なワークプレイスを提供することにつながるのだという。「働く環境」は「働き方」と切っても切り離せない関係であることが、改めてわかる。

「二枚目の名刺」を持つ人のスキルを活かせる仕事と機会を与える

リクルートの二葉さんは、子育てしながら働きやすい世の中をつくっていく「iction!」プロジェクトの事務局長。プロジェクトの一環として、職場復帰を目指す人をナビゲーションするアプリ「カムバ!」や、妊娠中の部下の両立サポートをする上司に向けたメールサービス「カムバ!ボス版」などを配信している。

2016年9月からは、「限られた時間で専門性を活かす働き方」をうたった「ZIP WORK」をスタート。これは「週4日」「1日6時間」などいわゆるフルタイムではない時間でも、専門的スキルを活かせるような仕事に就きたいという人に、仕事の機会を提供するものだ。

二葉:「まずリクルートの社内のコア業務で、フルタイムでなくても成立する仕事をつくり、20名程度の方を採用しました。その中の40%が育児をしながら働きたい方だったのですが、その次に多い30%がWワークをしたい方だったんです」

実例として紹介されたのも、週3日リクルート社内でプロジェクト企画の仕事をし、週2日はフリーランスのデザイナーとして働いている方。「ほかにも介護などさまざまな事情でフルタイムではない働き方を求めている人がいることがわかった」と二葉さん。

コワーキングスペースで、仕事仲間をつくる

ニューヨークを拠点に映像・アート・クリエイティブ制作に携わってきた榎本二郎さんは、2011年に帰国し、さまざまなプロデューサーやディレクターを集めた株式会社Zero-Tenを創業。Zero-Tenでは、美術館のプロジェクションマッピングや大濠公園のライトアップを手掛けるなど幅広い業務を行っている。これらの大規模なプロジェクトを一緒に行ってくれる「仲間」を見つけるために「働く場所」を作ったのだという。それが2016年12月、福岡の中心地・キャナルシティ博多前にオープンした日本最大級のシェアオフィス/コワーキングスペース「The Company」だ。Zero-Tenが企業から請け負った仕事は、「The Company」で一緒に取り組んでくれるメンバーを募り、その中でリーダーを決めて進めていくのだという。

榎本:「Zero-Tenはわずか15名ほどしか社員がいませんが、『The Company』のコミュニティを使うことで、高いクオリティを保った作品をいくつも同時に作ることができます

榎本:「現在のシェアオフィスは不動産の延長線上にあって、細かく区画を割って入居者を増やせば、利回りがあがるというような発想が主流だと思います。僕たちはワークシェアに特化させている。それは、仕事を一緒にしなければ、オフィスで会話をする必然性がないと思うから」

「The Company」内には、ワークスペースやオフィススペースのほかにイベントスペースなどもあり、現在はオフィステナントとして、西日本新聞やスペースラボなど70社が入居。さらに2017年3月には、「The Company」のそばに長期滞在ができる宿泊施設をオープンさせる予定なのだとか(※3/6にザ ライフ ホステル&バーラウンジがグランドオープンしました。)。宿泊が可能になり、「働く」と「住む」をワンパッケージで提供することにより、「The Company」にますます多様なメンバーが集まることが想像される。

「働く」「学ぶ」に「住む」が縛られない時代がやってくる!?

榎本さんの新たな構想を、バリ島の自宅でプールに足をつけながら聞いていたのが、尾原和啓さん。

ITプラットフォームの専門家ともいえる尾原さんは、現在13職、33のプロジェクトに携わっている。六本木にオフィスを構えアプリ制作も行っているが、オフィスにいるメンバーへの指示は基本的にバリ島から行う。尾原さんがバリ島を拠点にしている理由はごく単純だ。

尾原:「安上りなんですよ。今住んでいる家はプールつきで、週3日部屋を掃除してくれるお手伝いさんもいますが、家賃はわずか月10万円。LCCを使えば往復3万円ほどで東京に行けるし、深夜24時発の飛行機に乗れば翌朝10時半からのミーティングにも間に合うんです。だったら別に東京に住まなくてもいいかなと思って」

現在も、多くの人が「働く」と「学ぶ」と「住む」がリアルに縛られすぎていると尾原さん。

尾原:「働く場所の近くに住まないといけないから高い家賃を払っているような実情があると思うんです。でも、寿司職人さんとかパン屋さんとか目の前で物を動かすような仕事でなければ、リモートで仕事をしても差し支えがないと実感しています」

尾原さんによると、教育についても同じ流れがあるという。オンライン大学で優秀な成績をおさめ、実際に社会貢献プロジェクトを行った実績があれば入社できる世界的有名企業も増えつつあるという。尾原さんのようにバリ島に住みながら、ロボットも使ってリモートワークをするというのはかなり究極的ではあるが、世の中にリモートワークの可能性を示すには、十分といえるだろう。

――――――

では、リモートワークが進んでいけば、リアルに顔を合わせて働くオフィスは、やがて必要なくなるのだろうか?

後編に続く―

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写真:ハラダケイコ
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古川 はる香
古川 はる香
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フリーライター。主に女性誌や育児誌、WEBで執筆。
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