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大賞・市民賞ダブル受賞! エクセレントNPOは団体の「健康診断」

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二枚目の名刺の取組は「重要な問題提起」

NPO二枚目の名刺は、第9回エクセレントNPO大賞(※1)において大賞と市民賞を受賞しました。

受賞できたのは、これまで関わってくださったNPO等団体の皆さん、サポートプロジェクトに参加してくださった社会人メンバーの皆さん、各プロジェクトでスポンサーとなってくださった企業や調査研究にご協力いただいた専門家の方々、そして会員の皆さまのおかげです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

受賞にあたっては、
「誰もがNPO や社会活動との接点を持てるしくみ作りは、日本社会の市民性を育み、社会を変革しようとする試みといえます。働くことの意味が問われる人生100 年時代において、将来の日本社会において重要な問題提起をしています
との講評をいただきました。

第9回「エクセレントNPO大賞」は「二枚目の名刺」が受賞しました(言論NPO HP)

※1 エクセレントNPO大賞とは
エクセレントNPO大賞は、自己評価を行いながら改善につとめる非営利組織を応援し、社会に「見える化」をすることを目的とした賞。主催者が定める「市民性」「課題解決力」「組織力」の3つの分類の15の基準に基づいて自己評価をして応募し、その自己評価の内容に対して審査が行われる。
参考:「エクセレントNPO」を目指そう市民会議HP(http://www.excellent-npo.net/

私たちNPO二枚目の名刺は「社会人が当たり前の選択肢として、2枚目の名刺を持ち社会の変化を仕掛けている」そんな未来を思い描いて、2009年から「2枚目の名刺をもつきっかけづくり」「2枚目の名刺をもちやすい雰囲気づくり」に取り組んできました。

その取組の社会的な価値を認めていただいたことにメンバー一人ひとりが励まされ、今後も挑戦を続ける勇気をいただきました。

健康診断としての自己評価とフィードバック

私たちが初めてエクセレントNPO大賞に挑戦したのは、2018年(第6回)でした。

エクセレントNPO大賞は、審査を受ける団体が自らの活動や運営体制について振り返り、自ら評価する「自己評価シート」が審査の対象となります。

自己評価シートには数多くの評価項目が設定されており、それぞれの項目についてどの程度できているか、そう考える根拠や具体的な取組等とともに記載する仕組みです。

はじめてエントリーすることにしたときに、「賞を取ることを目的とするのではなく、このプロセスをとおして、私たちに足りない部分を明らかにする健康診断の機会としよう」と、自己評価シートを書き始めました。

審査を受けるたびに、厳しいながらも「なるほど」と思うフィードバックをいただき、それを材料に一つひとつ改善を重ねてきた結果、取組や運営体制などの「体質改善」も徐々に実感できるようになりました。

団体の「そもそも」を語り合う時間

自己評価シートの作成プロセスも団体にとって大切な時間でした。自己評価シートの作成にあたっては、「市民性」「組織力」「課題解決力」の項目ごとに検討するチームをつくり、各チームの中で対話と議論を繰り返しました。

例えば「広くボランティア参加の機会を拓いているか?」という趣旨の項目では、「サポートプロジェクト(以下、SPJ)(※2)に参加する社会人メンバーはいわゆるボランティアなのか、それともSPJというサービスの利用者なのか」といった議論がありました。
また、「社会的課題とどう向き合っているか?」という趣旨の項目では、「私たちが向き合っている課題は、社会人の人材育成なのか、NPOなど団体の活動の後押しなのか」といった議論もありました。

※2 サポートプロジェクト(SPJ)とは
サポートプロジェクトは、さまざまな業種・職種の社会人がチームを組み、新しい社会を創ることを目指す団体(NPOなど)とともに、団体の事業推進に取り組む有期のプロジェクトです。通常、5人程度の社会人チームが3〜4か月の期間で行います。
プロジェクトテーマは、パートナー団体と社会人チームで協議し、柔軟に設定して実施します。(NPO二枚目の名刺HPから)。

また、議論の中で「そもそもさ……」といった団体の運営の在りかたなどに対する不満が出てきたことも、結果的に大きな価値がありました。

日ごろはそれぞれの業務を進めるのに精一杯で、団体の取組について本質的な議論をする時間はありません。そんな私たちにとって、このエクセレントNPO大賞のために自分たちの活動を振り返ることが、団体の在りかたを考える貴重な機会にもなりました。

振り返りと進化で2枚目な未来をつくる

2018年(第6回)から2021年(第9回)まで、毎回団体内でメンバーによる自己評価、審査によるフィードバック、取組や運営体制の改善のサイクルを回してきた結果、NPO二枚目の名刺の取組や運営体制には例えばこんな変化がありました。

・SPJの年間計画を公表して定期的かつより多くの機会を提供
・会員制と寄附の受け入れを開始し、参加方法を多様化
・個人による担当制からユニット制へ移行し、運営を安定化

今思えば、いずれも設立から12年間で一度は議論されていたこと。それは裏を返せばやりたいと思いながらこれまで実現できなかったことでもあります。

でも今回、改めてメンバー同士の議論と対話をとおして浮かび上がってきたからこそ、メンバーが協力し合い、形にできたように思います。

◆          ◆          ◆

おかげさまでNPO二枚目の名刺は今回、エクセレントNPO大賞と市民賞を受賞しましたが、私たちにとって、この賞に挑戦した最大の成果は「できたらいいよね(ちょっと今は無理だけど)」で留まっていたことに、実際に取り組めるようになったこと。

その結果、設立以来最大規模の運営メンバーとともに年間を通して計画的にSPJを実施し、多くの社会人メンバーを受け入れることができるようになり、SPJで連携できるNPO等団体の数も増えました。

今後もNPO二枚目の名刺は、自分たちの活動について振り返りと進化を繰り返しながら、「社会人が当たり前の選択肢として、2枚目の名刺を持ち社会の変化を仕掛けている未来」の実現を目指して「2枚目の名刺をもつきっかけづくり」「2枚目の名刺をもちやすい雰囲気づくり」に取り組んでいきます。

これからも応援をよろしくお願いいたします。

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ライター

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編集者

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カメラマン

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島田正樹
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さいたま市役所に勤めながら、NPO法人二枚目の名刺「2枚目の名刺webマガジン」の編集者として活動。その他、地域コミュニティづくりの活動や、公務員のキャリアに関する活動などにも取り組む“公務員ポートフォリオワーカー”。『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』(学陽書房)著者。ブログで日々情報発信中。https://note.com/shimada10708 https://magazine.nimaime.or.jp/shimadamasaki_interview/