TOP > 二枚目の名刺体験記 / 村岡真智子さんインタビュー

二枚目の名刺体験記 / 村岡真智子さんインタビュー

このエントリーをはてなブックマークに追加

 村岡真智子さん(大手酒類飲料メーカー勤務、人事担当)

参加プロジェクト:NPO法人とりで(2023年)

経験を積んだミドル層にとって、サポートプロジェクトはどんな意味があるのでしょうか。

NPO法人とりでプロジェクトに参加した村岡さんにお話を伺いました。

※写真は、NPO法人とりでのこども食堂のボランティアをする村岡さん

村岡さんは、⼭⼝県にあるNPO法⼈とりでのプロジェクトに参加しました。「地域が⼦育てを⽀える」を理念に、⼦ども虐待の予防と保護を担う活動を⾏っている団体です。数ある団体の中で、こちらを選んだ理由を教えていただけますか?

昔から⼦どもや若者の教育に可能性を感じ、本業としても10年以上携わってきたのですが、担当変更でやりたいことから少し離れてしまった頃に、会社から⼆枚⽬の名刺を紹介してもらいました。そこで「NPO法⼈とりで」のことを知り、⾃分が情熱を注いでいた⼦どもの教育⽀援に携われるということから、思い切って⼿を挙げてみました。⾃分の地元である⼭⼝県にあることも決め⼿の一つでした。

村岡さん

「NPO法⼈とりで」プロジェクトにおける取り組みテーマを教えてください。

主に2つありました。1つ⽬は、組織が拡⼤する中で、職員⼀⼈⼀⼈が⽣き⽣きと⾃発的に業務に従事し、地域が⼦育てを⽀える理念を実現すること。2つ⽬は、複数の拠点を運営する中で、拠点間の協⼒体制を確⽴し、組織として⼀貫した⽀援を⾏うための必要な施策の検討及び実施でした。

村岡さん

取り組みテーマに対して、具体的にどんなことをご提案しましたか?

理念を団体内に浸透させる具体策の検討を⾏いました。本業が⼈事の私にとっては、⾃分の経験が活かせる取り組みテーマでした。理念を浸透させるためには、一般的に「認知」「理解(共感)」「実践」というステップを踏むということを本業で学んだため、NPO法⼈とりでにもその考え方を紹介させていただきました。そのほか、求められる人物像の整理、⼊社時研修の設計やスキルマップを作成し、ご提案しました。

研修の設計やスキルマップの考え方については、これまで当たり前のように実施していたことだったのですが、⼈事の経験がないメンバーにとっては当たり前ではなく、むしろ重宝される経験・スキルだと知り、⾃⼰肯定感が上がりました。

村岡さん

村岡さんは、⽇頃、会社の中で、⼈事施策のご提案などを積極的に⾏っていますか?

そうですね。10年以上⼈事の仕事をしているので、業務を遂⾏する上で必要な知識やフレームワークを使いこなしながら、課題を発⾒し、必要な施策を企画・実施するという⼀通りの流れはやってきたかなと思っています。

村岡さん

チームがご提案したことは、団体に⼤変喜んでいただけたようですね。「⾃団体だけでは議論していたら辿り着けない意⾒がプロジェクトメンバーからいただけて良い気づきがあった」「求められる⼈物像や職員の育成システムの構築を⾏っていただき、すぐに活⽤できるので、とても助かりました。」とコメントをいただきました。

プロジェクトは万事順調でしたか?

プロジェクトの後半に差し掛かり、団体スタッフへインタビューをした際に、経営層とスタッフ層の課題感に⼤きな隔たりを発⾒し、理念の浸透を⾏う前に、組織内のギャップを埋める施策をご提案することになりました。

村岡さん

プロジェクトの後半に差し掛かり、ハプニングが起きることは時々ありますが、そこでどう判断し対処するかはチームによって異なります。村岡さんのチームは、最終報告会に間に合わせるためだけの⼩⼿先の対処ではなく、「NPO法⼈とりで」にとって本当に取り組むべき課題は何かをチームで考え抜くことを選んだようですね。

そうですね。もっと早い段階で、団体内のインタビューを実施しておけばよかったというのが反省でしたが、これも⼀つの勉強です。最終報告会までに結果の検証までを間に合わせることはできませんでしたが、メンバー全員が投げ出さず、スタッフ層と経営層のギャップを埋めるための施策を検討しました。施策としてご提案させていただいたスタッフ向けの「コミュニケーション研修」は、プロジェクトが終わった後も、出来るメンバーが集まり責任を持って実施します。

村岡さん

チームワークがうまくいったようですね。他のメンバーの⽅はどんな⽅がいらっしゃいましたか。

 

 

 

私は、メンバーに本当に恵まれました。男性3⼈、⼥性3⼈のバランスの良いメンバーで、職種も業界もバラバラでした。それぞれ、本業の仕事も忙しく、全員が毎回100%のコミットはできませんでしたが、そういう時は、出来る⼈が、出来る時間に出来ることをやることで助け合いました。3ヶ⽉前に知り合ったとは思えないくらい、気の合うメンバーで、とても楽しかったです。

村岡さん

プロジェクトメンバー同士の懇親会

(戦略企画1⼈ 人事1⼈ 広報1⼈ 営業2⼈ ITエンジニア1⼈)

NPO法⼈のある⼭⼝県まで⾏って現場を視察してきたと伺っています。実際に訪問してみた感想はいかがでしたか。

私の実家が⼭⼝県であることもあり、帰省するタイミングでメンバーに呼びかけました。⼦どもと寝食を共にしながら、現場で働くスタッフの方とお話もできましたし、実際に入居している19歳の女の子ともお話をしました。NPO法⼈の近くにある⽶軍基地の⼈が頻繁に寄付やイベント交流に参加してくれるようで、アメリカではそういう取り組みは当たり前と考える⽂化だと聞き衝撃を受けました。⽇本ではまだそのような⽂化は根付いておらず、私⾃⾝もこれまで協⼒・参加したことがなかったので、今回、経験・スキルを提供するという形で社会貢献の⼀端を担えたことが本当に良かったです。アメリカのように慈善活動が⽂化となれば良いなと思います。

村岡さん

プロジェクトでもご活躍された村岡さんですが、毎週2時間の定例ミーティング以外に、どのくらい時間を割きましたか?

プロジェクトの前半はヒアリングが中⼼で、そこまでの負担はありませんでしたが、具体的な施策を検討し、ご提案資料を作成する段階になると、週末の半⽇は時間を割きました。参加前は、時間的にも精神的にも本業と並⾏して実施していけるか不安でしたが、やってみると、不安以上にやりがいと楽しさがあるので、やり切れている⾃分がいました。

村岡さん

村岡さんにとって、⼆枚⽬の名刺のプロジェクトはどんなものでしたか。

プロジェクトに参加する前は、うまくいかないことが重なり、⾃分に⾃信を失っていた時でした。私は、今回このプロジェクトに参加して、⾃分が当たり前だと思っていた経験が、他⼈に喜ばれ、重宝がられたことで、改めて自分の「できること」・「やりたいこと」を再認識することができました。「キャリアの⾃律」とよく言われますが、自信がないとできないことだと思っています。「できること」「やりたいこと」を認識できることが、⾃信、ひいてはキャリア自律に繋がるのではないかと思います。

村岡さん

それはよかったですね。会社から⼀歩外に出てみたことで、当たり前に思えたことが違う視点で捉えられたようですね。これから⼆枚⽬の名刺のプロジェクトに参加して⾒ようと思っている⼈へアドバイスをお願いします。

誰かのためになる以上に、得られるものが沢⼭あり、⾃分⾃⾝のためにもなるので、この活動に参加することはメリットしかないと感じています。⼼惹かれる団体を⾒つけたら、ぜひ⼀度「サポートプロジェクト」を体験してみることをお勧めします。

村岡さん

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
ライター

ライター

編集者

編集者

カメラマン

カメラマン

一般企業に勤めながら、NPO法人二枚目の名刺の広報担当として活動。