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【インタビュー】ごく普通の主婦の私が、ミンネの売れっ子アクセサリー作家になるまで

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こんにちは、2枚目の名刺webマガジン サムライト編集部です。

ある日、仕事をしていて、パソコンの画面の端に表れたアクセサリーの広告に目を奪われました。それは、ハンドメイドマーケットminne(ミンネ)の、実際に販売されている作品を使った広告。丸いガラスドームの中で2匹の金魚が泳ぐ、涼やかで可愛らしいピアスが写っていました。

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作品に見惚れてミンネのページに飛ぶと、そのアクセサリーを作った作家さんは「子育て奮闘中のママ」だそう。家事・育児の合間に作家活動をしている、とプロフィールには書かれていました。

今回は、そんな人気作家のsonamiraさんこと鈴木 昭代さんにインタビューさせていただくことに。アクセサリー制作を始めたきっかけや、作品づくりと家事・育児を両立する難しさ、それでも続けられているのはどうしてか?をたっぷり語っていただきました。

◇お話を聞いた方

・鈴木 昭代さん

「sonamira」の名前で活動する、ハンドメイドマーケットminne(ミンネ)の人気作家。主にレジンを使った涼やかなネックレス、ピアスなどのアクセサリーを制作・販売している。2児の子どものお母さん。
sonamiraさんのギャラリー

「どこで売ってるんだろう?」が、「いっそ自分で作ろう!」に

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――よろしくお願いします。今日は鈴木さんご自身のお話を中心にお聞きしたいのですが……アクセサリー、本当に綺麗ですね。見惚れてしまいます。


鈴木:
ありがとうございます。星空や宇宙、月、金魚みたいなモチーフが好きで、どうしてもそればかりに偏っちゃうんです。アクセサリーを手にとると、写真よりも実物の方が綺麗、と言ってくださる方が多いんですよ。

――鈴木さんがアクセサリーを作り始めたきっかけは、何だったんですか?

鈴木:きっかけは、「ビバリーヒルズ青春白書」ですね(笑)。海外ドラマに出てくる女の子たちって、「それぞれ個性的で可愛いアクセサリーを身に着けてるなあ」と昔から思っていて。「こういうの、日本だとどこで売ってるんだろう?」と色々調べたんですけど、当時……20年くらい前は、今ほどアクセサリーのお店がなかったんです。ハンドメイドもそんなに盛んじゃなかったですし。

小さい頃からビーズを使ってネックレスやブレスレットを作るのは好きだったので、「それならいっそ自分で作ろう!」と思い立って。始めたばかりの頃は、友達にリクエストしてもらったものをよく作っていました。

きっかけは、ママ友に頼まれて出した幼稚園のバザー

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――現在は専業主婦なんですよね。当時はお仕事をされていたのでしょうか。

鈴木:はい、結婚を機に退職したのですが、当時は医療関係の仕事をしていました。アクセサリー制作は完全に趣味だったので、平日はお仕事をして、土日に好きなものを作る、という感じでしたね。

――minne(ミンネ)に代表される通販サイトでアクセサリーの販売を始められたのは、どうしてですか?

鈴木:ネットで販売を始めたのは2年くらい前です。当時、子どもが通っていた幼稚園のバザーがあって、ママ友に「何か作って出してほしい」と頼まれたのでアクセサリーを出してみたら、自分が思っていたより評判が良くて。「来年も出して!」「お店でも売れるよ!」と言ってくれる人が多かったので、そこで初めてネットで売ろうかな、と思い始めました。ミンネはテレビCMでもよく目にしましたし、ここなら私でもできるかな、と。

ミンネには三軒茶屋に「アトリエ」があるんですが、そこで月に1回、作家さん向けの勉強会が開かれているんです。常駐しているスタッフさんが作品の写真の撮り方から値段の付け方、インスタグラムの使い方まで教えてくれるので、すごく勉強になりましたね。

最初はただ好きな時に作って販売して、売り切ったらそれで終わりだったのですが、徐々に再販のリクエストが来るようになって。勉強会に参加するようになってから作家さん同士の繋がりも増えましたし、買ってくださる方からの反響もぐっと増えました。今、ピークだと月に500件のご注文が入るような時もあります。

子どもたちの発想の豊かさは、作品づくりのヒントのひとつ

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――500件!そんなに作るとなると、とても忙しいのでは?

鈴木:そうですね。私の場合、デザインが決まっていれば1つ30分くらいで作れるのですが、基本的に1人で作業しているので……。イベントの出店が決まっていたりすると、その直前は本当に「睡眠時間を削って制作する」という感じですね。日中は家事で終わってしまうことが多いので、夜、子どもたちが寝たあとに作業をすることがほとんどです。

ただ、夫と子どもたちがすごく協力的なので助かっています。上の子は5年生の男の子なのですが、小さい頃からものを作ることが好きで。忙しい時は簡単な作業や発送を手伝ってくれるだけでなく、晩ごはんまで用意してくれるんですよ。

――5年生の男の子がですか?すごい……!

鈴木:すごいですよね。料理が好きみたいで、小さい頃からよく手伝ってくれました。今はイベントやワークショップがあったりすると、「お疲れさま」って長男が晩ごはんを用意して待っててくれるんです。ちょっと泣きそうになりますよね(笑)。

自分の子どもに限らず、子どものパワーはすごいな、と驚かされることは多くて。
今お話したように、最近ではワークショップの講師をさせていただいたりもするのですが、お子さん向けのワークショップだと、いくつかアクセサリーのパーツを用意して、自由に組み合わせてもらうんです。

そうすると、「海」がテーマでも青を使わなかったり、宇宙のようなパーツを入れたりする子がいて、毎回、発想の豊かさに感動してしまいます。逆に、お母さんが横で見ていたりすると「それそこに入れるの?」とか口出してしまって(笑)、ありきたりなものになるなあという印象がありますね。子どもたちのアイディアは、自分が制作をするときの参考にもなります。

「自分勝手なところを捨てないこと。ワガママでいないと“仕事”になってしまう」

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――では、アクセサリー作家として活動していて、嬉しかったことはありますか?

鈴木:作品を買ってくださった方から感想をいただけるのがやっぱりとても嬉しいのですが、特に嬉しかったのは病気で療養中の方からのメッセージでしたね。楽しみがない中で、私のアクセサリーを手に取ると可愛くて気分が上向きになる、と言ってくださって。忘れられないです。

それから、子ども向けのワークショップで、できあがった作品に対するお母さん、お父さんたちのリアクションを見るのも嬉しいですね。子どもが「できたよ!」とアクセサリーを見せると、親御さんたちが本当にいい顔をするんです。そういう時、ものづくりをしていて良かったなあ、と思いますね。

――通販サイトなどを通じて個人が自分の作品を販売する機会も増えてきている中、これから「作家活動を始めたい」という人もいると思います。そういう人にメッセージがあったらお願いします。

鈴木:これはあくまで私のやり方ですが、「自分勝手なところを捨てない」ことが大事かな、と思っています。私は今、夜の空き時間や土日にもほぼアクセサリーの制作をしているのですが、これを仕事だと思ってしまったら、絶対無理だと思うんです。趣味の延長でやっているので、自分の好きなモチーフでしか作らないし、種類もそこまで増やさない。そんなこだわり……というかワガママを通すことが、私が頑張れているコツです。

作品づくりに限らず、仕事と趣味、育児と仕事を両立させるような方には、そんな「ワガママさ」があった方がいいんじゃないかな、と感じています。好きだから頑張れる、というのがやっぱり基本だと私は思うので。

――今日は、ありがとうございました!

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ライター

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豊城 志穂
ライター
サムライト編集部