「仕事との両立大変じゃない?」を解決して二枚目の名刺を始めよう!〜総勢130名の参加!オンライン説明会@関西 報告レポート〜
2020年5月31日、zoom&Facebook LIVEによるウェビナー(オンラインセミナー)で二枚目の名刺@関西説明会が初開催されました。
新型コロナウイルスの影響もあり初のオンライン開催でしたが、総勢130名を越える方が参加。そのうち半数以上は、東京や北海道、九州など関西圏外からのアクセスとなり、オンラインならではの良さが発揮された会となりました。
さて今回のイベントレポートでは、社会人参加者側・参加団体側、それぞれの切り口から2回に分けて記事を書きます。
社会人参加者の思う「本業の傍らで活動するのは大変?」という不安や、団体側の「どうやって社会人と連携して活動をしたらいいの?」といった疑問などにお答えできるよう、レポートしていきます!
そもそも、二枚目の名刺ってなに?
会の始まりとともに、まずは主催スタッフの「きんぐ」こと藤木位雄(ふじきいさお)さんによる「NPO法人二枚目の名刺」の団体説明です。
取り組んでいることは3つ。
- 社会人が2枚目の名刺を持つきっかけを作ること
- 2枚目の名刺を持つことが当たり前となる社会の雰囲気を作ること
- 2枚目の名刺を持つ社会人のつながりを作ること
既に所属している組織や本業が1枚目の名刺とするならば、お金を得るための副業ではなく「社会にベクトルが向いているかどうか」が大きな違い。
組織や立場を超えてこれからの社会を創るための活動において、自身のアイデンティティを示してくれるものが2枚目の名刺であると位置づけています。
(詳しくは二枚目の名刺Webサイトをご覧ください)
団体と出会える場所「CommonRoom」
じゃあ具体的に何をしているの?というと、NPOや企業、行政などの団体側と、本業を持つ社会人個人とをプロジェクトで繋ぐ、中間支援です。
団体側が活動において抱えている課題やミッションと、そのテーマに興味のある社会人を「プロジェクトデザイナー」と呼ばれるスタッフたちが繋ぎ、調整していきます。
二枚目の名刺に興味があれば、まず「CommonRoom(コモンルーム)」と呼ばれるイベントへ行きましょう。
ここでは、様々な団体が活動説明や現在抱えている課題についてプレゼンし、社会人は自分が共感できるテーマを探すことができます。
見つかれば、団体へ参加表明。その後、参加表明された方5〜6名で1グループに。グループが結成されたら、3ヶ月間サポートプロジェクトを企画から実施まで行います。
CommonRoomは、二枚目の名刺の“スタート地点”とも言えるかもしれません。
プロボノとはどう違う?
よく混同されがちなのが「プロボノ」です。決定的な違いは活動で関わる範囲。
プロボノの場合、既に団体側で決定されたプロジェクトがあります。プロジェクトは何であれ、その一部分で自分の活かせるスキルを提供する関わり方。
一方で、二枚目の名刺は、プロジェクト自体を企画します。「共感」でスタートしているためプロジェクトにも想いを乗せて、団体と並走するスタイルになります。
参加している社会人ってどんな人だろう?
続いて、2019年に実際参加した社会人の事例を2つご紹介します。
<NPO法人JAE(ジャイー)×社会人メンバー かっちゃん の場合>
JAEは「若者が希望と誇りを持ち、挑戦する社会」をビジョンに、キャリア教育プログラムの企画、運営などを行う団体。
(詳しい活動内容はこちら)
かっちゃんこと松浦克太(まつうらかつた)さんは、幼い頃から学校や先生に対する苦手意識があり、教育や学びをなんとかしたいとモヤモヤするものを持っていたそうです。
大手通信会社で新規事業開発職を“1枚目の名刺“とするかっちゃんは、本業の中でも教育をテーマにした取り組みをしてきたものの、どこまでも現場には会社の人間として外部の立場から関わるだけでした。
そこで二枚目の名刺で、教育をテーマに活動しているJAEのサポートプロジェクトへ参加。
集まったグループのメンバーは、熱血営業マン、元教師、元結婚式プランナーなど、誰一人被ることないバックグラウンドを持った7名です。
リアル・オンラインを駆使しながらディスカッションを重ね、ひとつのプロジェクトを企画。
その名も「Liferary(ライフラリー)」。
生き方に正解も不正解もなく、誰もが誰かの先生になれるはずだという仮説に辿り着いたそうで、Life(人生)+Library(図書館)をかけ合わせたコンセプトとなりました。
そして3ヶ月後、グループのメンバーひとりひとりが先生となり、成功体験ではなく生々しい生き方を伝えるリアルさを大切に、高校生を対象として出張授業を実施したのでした。
最終的にチームでLiferaryの実施を通じて考察から将来構想までまとめました。JAEは、withコロナの環境を踏まえこのプロジェクトがより多くの方に触れられるようにするためにはどうすべきか思案中とのことでした。
かっちゃんが活動の中で大切にしたというのが「価値観の共有に時間を割く」こと。
本業のビジネスでは、どうしても会議の効率性や生産性が重視されます。しかしかっちゃんのグループでは敢えてメンバーひとりひとりの価値観を共有し合ったり、想いをぶつけ合う時間を惜しみなくとるようにしたそうです。
その結果、立場や肩書きではなく「その人自身」をお互いに深く知ることができ、それにより、チームワークが深まったと言います。
<認定NPO法人Homedoor(ホームドア)×社会人メンバー ゲル の場合>
Homedoorは「ホームレス状態を生み出さない日本」を目指す団体。ホームレスの状態から抜け出すことが困難な環境や、ホームレスへの強い偏見、様々な要因が複雑に絡み合うホームレスの課題に対し自立支援活動を行っています。(詳しい活動内容はこちら)
そんな課題へ挑戦したのは、「ゲル」こと岩木陵(いわきりょう)さん。(※ゲルの由来:いわげ→ゴルゴ13→ゴルゲ→ゲルゲ→ゲル!)
本業は人材支援会社に勤めています。西成区出身のゲルにとっては、ホームレス問題は身近で興味があったそうです。
集まったメンバーはこちらも学生からIT、製薬や置かれている状況が色とりどり。
まず、メンバー達が考えたのはミッション。Homedoorのメインの事業収入となっている「HUB chari(ハブチャリ)」プロジェクトを活性化させる目標を設定しました。活性化によってホームレス支援の貢献へ繋がると考えたからです。
始めの1ヶ月は、このミッションとプロジェクトのゴール設定を行ったとのこと。
ゴールから逆算したときに、まずは認知が課題であると捉えたメンバー。
まずは知ってもらい→利用によって好きになってもらう→リピートをする、というストーリーを組み立てました。
そのための4つの活動(ポータルサイトとの連携・観光コース追加とビラ配布・Web情報の設計&改訂・ハッシュタグイベント)は専門的な知識を要する作業も含まれましたが、メンバーが本業で持つスキルを活かしながら実現へと向かっていったようです。
プロジェクトがスタートした6月時点では1.5万人だったユーザーが、取り組み後は3万人まで上り、Homedoorもその効果は実感しているそうです。
気になるポイントはやっぱり“両立“
ウェビナー参加者の質問を受け付けるQ&Aのコーナーに入ると、「本業との両立ができるのかどうか」という点に質問が集まりました。
これに対し、かっちゃんは「時間をかけたいけど、とにかく時間がないというのはあった。プロジェクトの終盤は、捻出した時間は夜22〜24時がメインで、議論が白熱したら午前1時になったことも。大変だったことは否定しないが、メンバーと作り上げる楽しさは大変さを越えた」と嬉しそうに話します。
ゲルは「私は本業を転職して半年頃に参加し、他メンバーも出張やテストなどみんなが大変だった。しかし『今はできない』と自ら言う大切さも身に沁みて、メンバー同士が助け合う空気を作れたことは良かった。プロジェクトのはじめに想いを共有し、フラットな関係を作れていたからだと思う」と自らの学びを話してくれました。
プロジェクト参加後の自分はひとまわり成長しているはず!
参加した二人が共通に話していたことは、「自分自身がひとまわり成長し、本業にも好影響を与えた」ということ。
後半のパネルディスカッションで「協業によって得られたことは何か」と聞かれ、
かっちゃんは「どうやって関われるか、自分の想いをどう伝えて実行すればよいのか、その関わり方自体が学びだった」
ゲルは「自分たちで目標を決め、自分の枠を越えようとした時に、日頃から型にはまって良しとする自分に気づいた。活動中は『ありがとう』と色んな方から言われ、自己肯定感も上がった」
と、それぞれに気づきを得ていました。
実は今回のイベントを開催したスタッフたちも、もとは二人と同じ様に社会人参加者として関わっていました。自分の枠を外すことで様々な気づきを得て、それを本業へも活かせていることから、「もっとサポートプロジェクトを広めたい!」と二枚目の名刺のスタッフになったそうです。
両立の面では「確かに時間の余裕はないかもしれませんが、好きで始めたことだからむしろ時間を作る!」と言うスタッフも。
そんなコメントからも、2枚目の名刺を持つ意義は大きいと感じさせられます。
もしも今、
「自分が変わりたい」
「日常を変えたい」
「社会課題に取り組みたい」
という変化を求めている方がいれば、まずはCommonRoomへ参加してみることで変化のヒントを掴めるのではないでしょうか。
関西のCommonRoomは、2020年6月13日(土)13時から、オンラインにて開催します!
ご興味のある方はこちらをご覧ください。
ライター
編集者
カメラマン