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無理せずパラレルキャリアを継続させるコツとは?—パラレルキャリア実践者へのアンケートから—

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ライフスタイルの多様化が進むなかで、働くことに対する価値観も大きく変化しています。こうした時代の流れから、本業をもちながらも、「個人」として自分らしさを発揮できる“第二の活動”を行う「パラレルキャリア」がますます注目されています。パラレルキャリアの最大のメリットは、仕事やその他の活動をパラレルに動かすことで「越境」でき、「シナジー効果」を得られることです。

新たな可能性を求めて、パラレルキャリアを実践したいと考えている人は増えていることでしょう。しかし、「何から始めたらよいか分からない」「本業と両立できるか不安」といったことから、前に進めずにいる人もいるのではないでしょうか。

ーーー

今回、組織や立場を越えて社会のために活動する人を応援するNPO法人二枚目の名刺とパラレルキャリアの実現を応援するThink In Move サロン(以下、TIMサロン)が、パラレルキャリア実践者27人にアンケートを実施しました。

対象者の“第二の活動”は、NPO法人スタッフ、国際交流のボランティアスタッフ、ライター、デザイナーなど多種多様。子育てとパラレルキャリアを両立する女性たちからも回答を得ることができました。

そこで、本アンケートから見えた、パラレルキャリア実践者が大切にしていることや、継続させるコツなどについて紹介します。

《アンケートの概要》

対象者:パラレルキャリア実践者27人

設問:

Q1. あなたがパラレルキャリアをする(2枚目の名刺を持つ)理由や目的を教えてください。

Q2. 本業との両立で忙しい中、無理なくパラレルキャリアを続けるために、あえて「しない」と決めていること、しないようにしようと思っていることがあれば教えてください。

Q3. 逆に複数の活動をしながらも、これだけは「する」と決めていること、したいと思っていること、譲れないことを教えてください。

Q4 .上記以外でパラレルキャリアを実践する上でのコツや工夫があれば教えてください。

Q5. 複数の仕事や役割を持っているからこそやってしまった失敗があれば教えてください。

Q6. また、次からそうした失敗を防ぐための予防策や対応策がありましたら教えてください。

ワクワクを大切に:自分らしく楽しみながらできることを

アンケート対象者にパラレルキャリアを始めた理由や目的を尋ねたところ(Q.1)、以下の3つの傾向がみられました。

1.「ワクワク感」を求めて

「ワクワクする方向に進んでいった結果、気づいたら名刺を複数持っていた」「カタチになっていく過程のワクワク感(ワクワクがないとやらない!)」などの回答がありました。これらの回答から、「楽しみたい」というシンプルな動機が、パラレルキャリアのベースにあることがうかがえます。

2.自己実現のため

この傾向は子育て中の女性にみられ、「自分個人の名前で働ける場所が欲しいため」「自分個人として何をしている人か、何者か、という軸が欲しいため」「自分の肩書きで稼ぐ力を身につけたいから」などの回答がありました。子育て中の女性の中には、自分よりも家族のことを優先的に考える人もいるため、ふと立ち止まったときに、自分の存在や居場所を強く意識するのかもしれません。

3.地域や社会への恩返しをしたい

「自分ができること(得意なこと、好きなこと、強み、スキルなど)を活かして、人の役に立ちたいから」「本業で培ったスキルを、本当に必要とされ、より大きく活かせる場に提供したいから」「結婚して子どもも順調に成長。周りの人たちにすべてに対する感謝の気持ちを、社会貢献することで恩返しできたら」などの回答がありました。

健康管理が大切:自分を追い込まないようにする

アンケート対象者の回答から見えてきたのは、パラレルワーカーは健康管理に高い意識をもっているということでした。

無理なくパラレルキャリアを続けるためにあえて「しない」と決めていることや、逆にこれだけは「する」と決めていることについての設問(Q.2とQ.3)では、「睡眠時間は削らない」「睡眠をたくさんとる」「睡眠時間を確保する」「体調管理を優先に」「一定時間の睡眠時間は必ずとる」といった回答が目立ちました。また、「体力以上にスケジュールを入れない」「少し体調が悪いと感じたら、やるべきことは一旦保留など調整して睡眠優先にする」といったように、自分のコンディションに敏感であることがうかがえました。

さらに興味深い回答は、「できないことに、落ち込まない。時間的に動けない・できないことを隠さない」「できない仕事に対してはできない理由(時間上なのか自分のポリシーなのか)を自分の中でも明確にすること、相手にも告げるようなコミュニケーションをとること」というもの。一緒に働く(活動する)相手に、素直に自分の状況を伝えることも、パラレルキャリアを続けるコツのようです。

このように、みなさんが特に体調管理や仕事量に配慮するようになった経緯は、失敗談(Q.5)から読み取ることができます。頑張りすぎて体調を崩し、周囲に迷惑をかけた経験をもつ人が多くみられました。

「スキマ時間」を活用:ちょっとした時間を積み重ねる

いくつかの仕事がバッティングしてしまうこともあるパラレルキャリアでは、いかに時間を効率的に使うかがポイントとなります。では、アンケート対象者はどのように複業の時間をつくっているのでしょうか。

回答から読み取れたことは、「スキマ時間」を上手に使っていることでした。通勤中の電車、昼休み時間、就寝前などのちょっとした時間に、プランを練ったり、脳内ブレストをしたりすることを習慣化しています。

時間の使い方についてもう一つ注目したいのは、家事に関するものです。育児をしながらパラレルキャリアを実践する女性たちからは、Q.2とQ.4の設問で、「子育てや家事等を一人で抱えず外部の便利なサービスを使う」「食事は時短、手抜きでもいい」「時間のかかる家事(手の込んだ料理・大掃除・拭き掃除など)をしない」「家事を頑張りすぎない(クオリティにこだわりすぎず、夫にある程度任せる)」といった回答を得ました。このように上手に“手抜き”をすることも、複業の時間を確保するコツであることが分かります。

家族が一番の理解者:家族と過ごす時間を大切にする

「健康や家族との時間を犠牲にしてまで複業(2枚目の名刺の活動)をしない」「土日のどちらかを家族の時間として1日空ける」「家族とゆっくり食事をする」といった、家族との時間に関する回答も目立ちました。

家庭をもつ人は、一番身近な存在である家族から活動の理解を得ることが大事なのではないでしょうか。「『なんでお金にもならないのにやっているの?』との家族からの意見に、時間をかけてコツコツ話して理解を得られ、今は『パパの部活動』として認知されるようになり、応援もしてもらえるようになりました」という、ほほえましい回答もありました(下記事参照)。

花王の社員が50代で見つけた『ライフワーク』。2枚目の名刺を通じて見えてきたもの

 

まとめ:「やめることもできる」と、気楽に考えてやってみる

27人のパラレルキャリア実践者の回答から、それぞれ自分が大切にしていることや、やるべきことの優先順位が明確であることがうかがえました。限られた時間を効率的に使いながらパラレルに活動するうえで、このことは最も重要です。

また、ガチガチに構えずに、好きなことから気軽に始めるのがよいのかもしれません。「自分らしく楽しめなければ、やめることもできる」と、気楽に考えるのがよいのではないでしょうか。

社会情勢の大きな変化や技術革新によって先が読めない現代、状況に合わせて軌道修正しやすいパラレルキャリアという働き方・生き方は今後、主流になっていくことでしょう。

なかなか始めの一歩が踏み出せないという方、何からやればいいのかわからない方は、ぜひ二枚目の名刺のサポートプロジェクトもチェックしてみてください。

トークイベント実施のお知らせ

NPO法人二枚目の名刺、TIMサロン主催の「WOMAN TIES」、パーソルグループが提供するボランティアを通じたキャリア支援プログラム「ママボラン」がコラボして、パラレルキャリアに関する女性向けのトークイベント「#わたしのパラレルキャリア」を開催します!

複業(副業)、プロボノ、ボランティア、ライフワークなどのスタイルで活動する人たちのパラレルキャリアの始め方・働き方、実際にやっていることなどをざっくばらんに聞ける会です。

「本業以外に何か始めたいけど、一歩を踏み出せない」

「ライフイベント(結婚・出産など)による働き方の悩みを抱えている」

「自分の強みを生かして働いている人の話を聞きたい」

という方は、ぜひお申し込みください!

nimaimenomeishi

 

《イベント概要》WOMAN TIES vol.3 #わたしのパラレルキャリア

TIMサロン×二枚目の名刺×ママボラン 共同開催

日時:9月29日(土)13:30〜16:00

会場:パーソルホールディングス株式会社・外苑前オフィス

〒107-0061 東京都港区北青山2-9-5 スタジアムプレイス青山5F

参加費:2,000円

定員:30名(子連れ可/託児サービスはありません)

イベント詳細・お申し込みはこちらから

この記事はTIMサロンのオウンドメディア「choice!」にも同時掲載しています。

 

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ライター

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編集者

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カメラマン

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小笠原 綾子
ライター
自分事と思える仕事や活動を寄せ集めた“複業”を実践中。 パラレルワーク、リモートワークが一般的な働き方になることを期待している。
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