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公務員の働き方改革の第一歩!公務員プロジェクト作戦会議・開催レポート

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2017年9月3日(土)、東京・代々木八幡のNPO法人二枚目の名刺オフィスにて「公務員×2枚目の名刺プロジェクト」の「作戦会議」が開催された。

公務員が本業としての役所の仕事とは別に、地域社会などで新たな役割を持つことを応援する本プロジェクト。今回はプロジェクト立ち上げに際し、参加者を一般から募り、プロジェクトの趣旨説明と問題意識の共有を行なった。

参加したのは、この日初めて顔を合わせた9名(うち2名は静岡と姫路からオンライン参加)と、プロジェクトデザイナー(注1)の島田正樹、NPO法人二枚目の名刺の廣優樹、二枚目の名刺WEBマガジン編集のはしもとゆふこ、ライターの大竹悠介の13名。うち現役公務員が島田を含めて8名、民間が5名だった。

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働き方への課題をもつ公務員たち

午前10時に始まった「作戦会議」。まず簡単に自己紹介を行なった。

プロジェクトデザイナーの島田は現役の市役所職員。普段はさいたま市で都市開発の業務を行なっている。内閣府に出向していた時に、公務員業界の外の様々な人と出会い刺激を受け、NPO法人二枚目の名刺に参画するようになった。このプロジェクトは公務員が2枚目の名刺を持ちやすい社会を作るという島田の想いから立ち上がった。詳しくは「公務員は本当に副業禁止なのか~公務員×2枚目の名刺プロジェクト、始めます!」を参照。

9名の参加者は、市職員が3名、県職員が1名、国家公務員が2名、会社員が3名という構成だった。その多くが、NPO法人二枚目の名刺のウェブサイトでの告知を見て問い合わせてきた方々。先だってNHKで放送された番組を見てくださった方も数名いた。

参加動機は「人材育成の観点から、働く文化の多様性に触れたい」「保守的な庁内の雰囲気を変えたい」「業界の価値観の同質性に問題意識がある」などなど。公務員の世界でも2枚目の名刺活動に関心を持つ方々が少なくないと実感した。

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「公務員×2枚目の名刺」とは?公務員が2枚目の名刺を持つことを当たり前にする

続いて、島田から参加者へプロジェクトの概要説明が行われた。要約すると以下の通りだ。

【島田のマイミッション】
“2枚目の名刺”を拡げることで
幸せな公務員を増やす
幸せな公務員を増やすことで
地域を 社会を 変える

【プロジェクトを立ち上げるにあたっての問題意識】
・公務員は、民間企業に勤める人よりも、2枚目の名刺を持つことに、強い不安を覚え抵抗を感じている(現に活動している人が“隠れキリシタン”化している場合も)
・役所内には、個人として外で活動する職員に対して、応援するよりも、ちょっと心配するような、引き止めるような空気が漂っている

【公務員プロジェクトの目的】
公務員が2枚目の名刺を持って活動することが、あたりまえの社会をつくること

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【公務員PJの内容】
公務員が2枚目の名刺を持ちやすくなる“雰囲気づくり”
(と、キッカケづくりも少々)
①2枚目の名刺を持って活躍している公務員や先進的な組織の紹介
②公務員にできる2枚目の名刺の範囲(法令等ルールの正確な読み方)を発信
③公務員を対象とした2枚目の名刺に対する意識調査
④自治体と連携して先進事例をつくる
⑤改革意識のある公務員の仲間づくり

【プロジェクトの体制について】
本プロジェクトの核になるのはプロジェクトデザイナーの島田だが、関心のある方は公務員であるなしを問わず様々な関わり方ができる。現時点では以下の3つの関わり方を想定しているが、それぞれの立場や関与できるキャパシティ次第で相談して調整していきたい。
①作戦会議などの参加者
「作戦会議」に参加して、問題意識の共有を行う。プロジェクトの入り口はここから。
②コミュニティの参加者
継続してプロジェクトに関わる方(情報を交換したり会議に参加したりする方)はプロジェクトのコミュニティに参加。
③プロジェクトメンバー
プロジェクトにより主体的に関わる方はプロジェクトメンバーとして企画や発信の活動を行う。

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島田は役所の外での活動を「志事」(こころざしごと)と呼ぶ。公務員が変わることは、公務員だけでなく地域社会を変えることでもある。「プロジェクトには多様な関わり方ができる。志を同じくする人とぜひ一緒にプロジェクトを進めたい」と島田は語った。

ディスカッション~公務員の2枚目の名刺が越えるべき壁とは?~

次に、公務員の働き方の問題点や、公務員が2枚目の名刺を持つことのハードルについて参加者全員でディスカションを行なった。

・公務員には、役所の外でやりたいことを話すマインドがない。環境として話をしないから。投げかけてもわからないし通じない。だから、範囲を広げないと同じ意識を持つ人と繋がれない。

・業務時間外に何かの活動をしようとするとき、頭の片隅に組織の影がちらつくのはなぜだろう?役所以外に戻る場所がないから不安になる。

・20代は業務を覚えるのに必死。30代になって余裕が出て来た時に外に目がいくようになるのでは?一方で、外に目が開かれる前に役所文化に染まってしまうと外に目が開かれなくなる。

・グッドプラクティスができたら役所にも紹介ができる。例えば、神戸市や奈良県生駒市は副業を部分的に認めるようなルール作りをしている。

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ここからわかるのは、問題意識のある公務員でも、「やっていいライン」を慎重に計りながら、石橋を叩くように進んでいることだ(もしくは石橋を叩くのも怖くて逡巡している姿が浮かぶ)。
2枚目の名刺が許される範囲を制度上はっきりとさせることと、具体的な事例を共有することのニーズを、改めて認識することができた。
ところで、制度という壁はそれでわかるのだが、参加者たちは2枚目ができるとしたら何をしたいのだろうか?もしくは、すでにやっているのだろうか?
問いを投げかけてみたところ、次のような声が上がった。

・本業以外のところで児童福祉に携わっている。
・教育に関心があり、教育ツールの開発を行いたい。
・子育て支援。自分自身子どもがいるので、生活に近いところから始めたい。

だが、具体的にアイデアや活動のイメージをもっている人は少数派のようだった。
島田は言う。

「公務員の2枚目には、RPGゲームで言うところの“始まりの場所”が必要なのかもしれません。これから始まる物語のガイドになるような情報があったり、最初の一歩の道を示したりする出発点としての場所が。その役割を果たすのが、このプロジェクトかもしれません」

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「作戦会議」を毎月開催予定!

まだまだ始まったばかりのプロジェクトだが、プロジェクトのミーティングやインタビュー取材など、これから活動を本格化させていく。

また、10月14日(土)に2回目の作戦会議が開催される。この日はすでに満席だが、11月・12月にも作戦会議を開催するので、ご関心のお持ちの方は、ぜひ参加をご検討いただきたい。(開催情報は決定次第、二枚目の名刺のオフィシャルサイトにて掲載予定。http://nimaime.com/

問題意識を共有する人と人とがつながりあって、解決のための活動が始まる。いまこの時が貴重な時間だ。作戦会議に参加できない方も、まずはNPO二枚目の名刺までお問い合わせいただきたい。
>>お問合せはこちら

(注1)プロジェクトデザイナーとは・・・「こんな社会になったらいいな」というマイミッションを持ち、プロジェクトを立ち上げるNPO法人二枚目の名刺メンバー。

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大竹 悠介(おおたけ・ゆうすけ)
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ライター・編集者。まちづくりNPOなどで広報・イベントディレクション等を含む複業を実践中。早稲田大学大学院にて地域ジャーナリズムを研究した後、広告代理店を経て現職。2拠点居住やサテライトオフィスなど地方を舞台にした新しいライフスタイルに関心がある。