TOP > 伝えたいことを世に発信するために。ユーザー・ニーズの深掘りが読者との接点になる!

伝えたいことを世に発信するために。ユーザー・ニーズの深掘りが読者との接点になる!

このエントリーをはてなブックマークに追加

自身の活動内容や社会問題・政治に対する個人的見解など、世の中に発信したいことはたくさんあるのにうまく読者に届けられない……そんな悩みを抱えている2枚目の名刺ホルダーの方は多いのではないしょうか。もしかすると、その原因は“独りよがり”の内容の発信になっているからかもしれません。

Web上でコミュニケーションを図る上で、ユーザー(読者)との接点をつくることは大切なスキルのひとつ。そこで今回は、多くの企業のオウンドメディアの制作実績があるサムライト編集部Tさんに、WEBコンテンツにおける企画の考え方・制作方法をお伺いしました。テーマは、「読者を意識する重要性=ユーザーファースト」です!

なぜユーザー・ニーズを意識しないといけないのか

はじめまして、サムライト株式会社で編集者をしておりますTです。私自身、まだまだ日々勉強中の身ですが、今回は私が実際にコンテンツを制作する上で意識していることや日々先輩から教えられていることをお伝えさせていただきます。よろしくお願いします!

サムライトは、オウンドメディア制作を中心に、さまざまな企業のコンテンツマーケティング支援をおこなっており、“広告を情報に変える”ことを使命に、コンテンツ制作をしております。つまり発信したい情報と知りたいユーザーの接点を生み出し、双方に価値を生み出すことが私たちの役目です。

そこでポイントになってくるのが、ユーザーのニーズです。

現代は、処理しきれないほど多くの情報が溢れています。そのぶん、情報を届けたいユーザーにダイレクトに届けることは難しくなっています。受け手側は玉石混交の情報の中から、本当に欲しい情報を選ぶので、発信する側は”届けたい相手”を意識して、情報の流入経路を設計しなくてはユーザーを増やすことはできません。

どんな情報をどんなユーザーに伝えたいのか。そのユーザーはどんな悩みを抱え、なにを知りたがっているのか。アウトプットをする前に徹底的にターゲットのニーズを把握する必要があるのです。

次に流入経路の手段のひとつである「SEO」の基本的な考え方についてご説明します。

まずは検索ニーズ・検索ボリュームを把握する

WEBコンテンツでは、まずSEOを意識しなくてはいけません。

SEOとは、”Search Engine Optimization”の略で、日本語では“検索エンジン最適化”と訳します。シンプルに言うと、GoogleやYahooなどの検索結果で、より上位に表示させ、露出を増やす、WEBマーケティングの手法・考え方です。

検索結果で上位に表示されると、その分だけ読まれる確率は確実に上がります。さらにユーザーに多く検索されるキーワードならば、読者は増えていきます。誤解を恐れずに言えば、ユーザーに多く検索されるキーワード=ニーズがあるといえるのです。

つまりユーザーを増やす第1のポイントは、まずニーズがあるキーワードを探すことです。

例えば、「ダイエット」と「痩せる」というキーワードでは、どちらが検索ボリューム(検索される回数)が多いと思いますか? 答えは「ダイエット」です。検索ニーズを調べる代表的なツールのキーワードプランナーで、それぞれの検索ボリュームを調べると、ダイエットの月間検索ボリュームは55万回。痩せるは、33100回。ともにGoogleの検索で1位表示されたとすると、PV(ページビュー=閲覧回数)は圧倒的に「ダイエット」のコンテンツのほうが多くなります。

ただし、検索ボリュームが多いほうが競合サイトは多くなるため、同じワードでもダイエットで検索上位に表示される難易度は上がります。その中でも検索上位に表示されるにはどうしたらいいのでしょうか?

残念ながら明確な答えはありませんが、確実なヒントはあります。そのひとつがGoogleの公式見解でもある「ユーザー・ファースト」のアプローチです。

◎Google が掲げる 10 の事実


<実際にキーワードプランナーで「ダイエット」調べてみた図>

キーワードをとことん深掘る!

ユーザー・ファーストのアプローチで重要になるのは、ユーザー・ニーズの深掘りです。例えば「ダイエット」というキーワードで検索する人は、「一体なにを知りたいのか?」を考えます。私も、先輩社員によく「ユーザーのインサイトを考えろ! 深掘れ!」と教えられました。インサイトとは「人を動かす深層心理」であったり、「本人も気づいていない無意識の心理」のことです。

「ダイエット」と検索する人のインサイトには、シンプルに「痩せたい」という心理が想像できます。しかし、ひとくちに「ダイエット」といっても、方法、食事、運動、サプリなど、具体的に何を知りたいのかはわかりません。例えば「運動で痩せよう!」と明確な目的があるユーザーが検索するキーワードは「ダイエット 運動」「ダイエット 筋トレ」になります。また、「無理せず痩せたい」という人の検索キーワードは、「ダイエット 簡単」「ダイエット 手軽」などになるでしょう。

さらに深掘りして「そもそもなぜ楽して痩せたいのか?」という疑問に仮説を立てると、よりインサイトは具体的になります。ちょっと考えると、「きついことは嫌い」「意志が弱く長続きしない」などの人格が見え隠れします。

このインサイトという意味では、ダイエットは目的ではなく手段になります。ある女性のインサイトを紐解いていくと、ダイエットに成功した自分=きれいになりたい。その先にある恋愛に成功したい→結婚したい、というインサイトが検索キーワードの背景から読み取れます。この目的である恋愛に成功できるのであれば、手段はダイエットでなくてもいいのです。

このことを、情報を発信する側の視点から考えてみます。

例えば「ダイエット」を直接検索しない人にダイエットを認知させるためには、「恋愛 成功」などのキーワードが考えられます。恋愛で成功したいと考えている人は、意中の人とどのようにコミュニケーションを取ればいいのか? どういうファッションにすればいいのか?といろいろと悩みます。もし、「恋愛 成功」の検索結果の上位に「恋愛を成功に導く究極のダイエット法」とあれば、ダイエットのコンテンツを読んでもらうことができます。ちょっと切り口を変えて「男性を虜にするボディラインを手に入れる!」なんかもありでしょう。また「恋愛を必ず成功させる10の法則」などのテーマのなかに、ダイエットを盛り込むことも考えられます。

このように、ユーザーがなぜそのキーワードを検索したのかを考え、そのニーズやインサイトを深掘りしていくことがSEOではとても重要なポイントになってきます。今回はわかりやすい例として「ダイエット」を検索キーワードにお話しましたが、それが「複業」でも「社会貢献」でも考え方は変わりません。

インサイトを知ったうえで、いかに情報を伝えるか


グーグルで「ダイエット 簡単」で検索した結果(2019年2月14日現在)

では、ユーザー・ニーズを深堀りしながら、実際に企画をたててみましょう。テーマは、「楽して痩せるためのコンテンツ」を考えること。そこで「ダイエット 簡単」というキーワードで実際に検索してみると上記のような結果がでます。「始めやすくて続けやすい」「ズボラさん」「運動、食事制限一切なし!」といったタイトルの言葉からも想像できるように、この検索キーワードで検索する人は意思が弱く、できるだけ運動もせず、好きなものは食べつつ楽に痩せたい人だということがわかります。つまり、「楽して痩せたい」人はどのような人なのか、どんなインサイトを持っているのかを考えたとき、「きついことは嫌い」「意志が弱く長続きしない」と予測した仮説は当たっていたことになります。実際にGoogleなどでテーマやターゲットになるキーワードを検索することは非常に重要なので、傾向を掴むためにも必ず行ったほうがよいでしょう。

ここでいくつかの企画内容を立てることができます。

「きついことは嫌い→できれば運動はしたくない→マッサージで痩せられる方法」
「意志が弱く長続きしない→好きなものは食べたい→食べ順ダイエットで我慢せず痩せよう」

このようにインサイトがわかればターゲットのユーザーがどんな情報を欲しているかもわかりやすくなります。ユーザーを獲得していくには、いかに想定ユーザーが必要としている記事を書くかが肝なのです。

オリジナリティと共感を引き出すタイトルでユーザーの心をつかむ

ユーザー・ニーズの深掘りのほかに、コンテンツを制作する上で私たちが大切にしていることが、“オリジナリティ”と“信頼性”です。どこかで見たような情報や二番煎じのものでは実際に読まれたとしても、納得感や共感を得ることはむずかしくなります。検索上位のサイトはあくまで参考にしながら、違う切り口で簡単に痩せたい人に答えられるコンテンツはないか? 他のコンテンツより良い、新しい情報は何かを考え続けることが大切です。

もちろん記事の内容だけでなく、タイトルも非常に大切です。タイトルでいかにターゲットを引き寄せられるか……共感が得られなければ、せっかく検索上位に表示されてもクリックはしてもらえません。無理はしたくないけど痩せたい人がクリックしたくなるようなタイトルにする必要があるのです。共感を得るためのタイトルワークも意識しましょう。

今良い記事=いかにユーザーに寄り添った記事か

今回は、企画を考える際の基本となる、ユーザーが知りたがっていることを把握するための方法のごくごく一部を紹介しました。自身が発信したい情報を届けるには、どこかユーザーとの接点を探っていかなければいけません。それはWEBに限らず言えることで、雑誌や書籍でもニーズがないものはベストセラーになりにくいはずです。

今回の記事が、WEBコンテンツを作成する際のヒントになれば幸いです。

このエントリーをはてなブックマークに追加
ライター

ライター

編集者

編集者

カメラマン

カメラマン

サムライト編集部
ライター