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特別なスキルがなくても大丈夫。Hello!福島で出会った「想い」が見せてくれた新しい景色

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本記事は、平日はITサービス業界で働きながら、NPO二枚目の名刺が運営する、福島12市町村ソーシャルコラボレーションプロジェクト(通称、Hello!福島)に参加した大久保努(とむ)さんによる体験記です。 一般社団法人 nononowaを支援先団体として、ブランドブックや体験プログラムの制作に取り組んだ3ヶ月間。関係者との対話を重ねる中で、とむさんが実感したのは「想い」の持つ力でした。本記事では、プロジェクトの軌跡と、その経験を通じて得た気づきやご自身の変化について綴っていただきました。

 

期待と不安の中で始まった一般社団法人 nononowaとの出会い

2025年9月から12月までの3ヶ月間、Hello!福島のプロジェクトに、社会人としてNPO二枚目の名刺のサポートプロジェクト(SPJ)※に初参加した、とむです。

※サポートプロジェクトとは、NPO二枚目の名刺が展開する、社会人・学生がチームを組み、NPO等の団体と約3か月協働するプロジェクトのこと

私が参画した支援先の団体は、「一般社団法人 nononowa」さんでした。 nononowaの代表であるままみさんは、フリーのカメラマンのという1枚目の名刺を持つ方です。復興支援として地域おこし協力隊として活動した後に、田村市に移住されました。豊かな自然との共存・循環、忘れられゆく地域資源の継承をテーマに、活動をされています。 なんと、長外路城跡所有者(城主!?)として活動されているという、行動力あふれる方です。

団体は2025年6月に設立したばかりの出来立てほやほやな時期だったので、参加する社会人も自分なりに、こんな課題がありそうな、こんなことできるんじゃないかな、とそれぞれ想像を膨らませていました。 初めて顔を合わすキックオフ、NPOの方、社会人、デザイナー、みな緊張の面持ち。 年齢層も20代〜60代、職業も、公務員、通信業、メーカー、コンサルティングと全くバックボーンの異なる初対面の社会人。 これから何が始まるんだろう、一体自分は何ができるんだろう、みんなとうまくやっていけるかな、福島との関係人口って?と、期待と不安で、頭の中には色々な思いがよぎっていたと思います。

 

 

現地訪問で知ったリアルな現実と「越境」による最初の学び

当日は、nononowaの想いと課題の理解、2日目は現地訪問。現地訪問では現地で暮らす人々の覚悟を知ることとなります。 震災から14年という月日が経っても、現地には今でも帰還困難区域がのこりそこで暮らしていた人々が戻れないでいる現実、いまも現存している当時を物語る施設や資料館の訪問を通して、自分の中で風化しかかっていた記憶に対する後ろめたさを感じるとともに、「何か力になれることはないだろうか」と自然に考えるようになりました

また、nononowaさんからのリクエストでもあった、関係人口をやすためにも共感してもらうためのストーリー作成の中心にもなる、長外路城跡、なつはぜ畑の視察を通して、ままみさんの想いを少しずつ理解していく時間が始まりました。

翌週からオンラインでのミーティングが始まりました。 二枚目の名刺の特徴は、一般的なスキルや経験を生かすプロボノプロジェクトでテーマが与えられる形とは異なり、団体と社会人で対話を通してプロジェクトでやることを決めていきます。 プロジェクトの立ち上げの時期は、コーディネーター役である、プロジェクト・デザイナーの支援のもと、心理的安全性を保ちながら、団体の想いの理解や、自分なりに言葉にして伝えていく、お互いの意見に対する傾聴を通して、徐々にチームが形成されていきます。 

ここが、普段の社会生活とは異なるところで、普段いる環境は心地よくもあり、よく知った世界です。一歩、その環境を飛び出すと、同じ言葉一つとっても、意味合いやニュアンスが違います。 少し面倒に感じたり、居心地が悪いと感じるようなこともあるかもしれません。 それが越境による最初の学びかもしれません。きっと、元居た環境に戻った時に、今まで違う視点や、気持ちで物事を感じ取れる場面に出会えるかもしれません。 今回のプロジェクトでは、ここに一番、時間を費やしました。

 

↑写真中央(右から4番目)が大久保努(とむ)さん

 

壁打ちを重ねて作り上げたPMMVと2つの成果物

まずは、団体と社会人メンバーで何を解決すべきか考えるために、団体の目的や目指す未来、活動で大切にすることである、Purpose・Mission・Vision・Values(PMMVを一緒に作ることから始めました。ままみさんと社会人といい意味で激しい壁打ちが始まりました。社会人も団体の想いを理解しようと必死、団体側も自分の想いを言語化しようと必死です。 気がつけば、1ヶ月ほど、時間は経過していましたが、振り返れば、ここで定めたPMMVがあったからこそ、最後まで走り抜けることができたと思います。 PMMVの次は最終成果物を決めることです。 そこでも、議論は続きましたが、最終的にはままみさんの想いを社会人メンバーも理解し、成果物を決めました。 この頃には、「想い」を実現するためにチームも1つにまとまり、誰かに言われたからではなく、自分にできることは何だろう、とそれぞれが動き始めていました

最終成果物の1つ目は、共感を生むストーリー作成のためのブランドブックの作成です。 これまで情報発信の経験のないメンバーは、どうしたら聞き手に理解してもらえるか、ストーリーの中心にもなる「なつはぜ」という食物の継承の生い立ちや活用に対する関係者へのヒアリングを通して、自分の言葉で、表現してくれました。 また、メンバーの一人は、文字だけじゃ伝わらないよ!ということで、自ら経験のないHPの作成までやり遂げ、最終報告会には皆さんにお披露目することができました。 ブランドブックに記載された内容以上に、そこまでの会話を通してままみさんの中にもぼんやりとしていたものの解像度が上がり、今ではホームページの立ち上げ、SNSでの情報発信につながったのかな?と感じております。

 

 

2つ目の成果物は、長外路城跡を活用した体験プログラム。こちらは、社会人メンバーの中で、1枚目の本業を活かしたものです。 ストーリーだけではなく、継続的な活動を行うためには、興味喚起、認知拡大のためにも, 目玉となる企画が必要ではないか!、という強いメッセージを常にプロジェクトにも発信してくれ、団体側と何度も協議を行い、モデルプランを作成してくれました。 こちらも、現在の体験プログラムの企画検討も活用されています

 

 

 

プロジェクトで得た学びと「二枚目の名刺」デザイナーへの挑戦

今回のPJでの参加を通しての一番の学びは、「想い」の大切さでした。

  • 震災を乗り越えて現地で暮らす方々の「想い」
  • 「想い」を持って行動する人の強さ
  • 「想い」は人を動かす

何ができるか、ではなく、成し遂げたいから、そのために何ができるかを一生懸命に考えて考えて行動する。 振り返れば、それがその人を成長させてくれる。

今回、私が、Hello!福島に参加したのは、ふとしたきっかけでした。 会社員生活も終盤戦を迎えこの先、自分が何をしたいのか、どんな生活を送りたいのか?そんなことを数年前から考えるようになっていました。 セミナーに参加したり、プロボノ活動に参加したりするものの、これと言った感触は掴めていませんでした。 そんな中、Hello!福島の募集を見かけ、これと言って特別な復興支援的なこともしてこなかったこともあり、少しでも現地のお役に立てるようなことはできないか?という思いで応募しました。プロジェクトを通して、新しい仲間とのつながりや、多くの刺激を受けました。

そんな私が、今年、NPO二枚目の名刺にジョインして、プロジェクト・デザイナーをやることにしました。 最後に背中を押してくれたのは、団体側の支援をされていた方の一言です。 デザイナーのあつにいさんに後から聞いたところそうした普段は接点の少ない人とのゆるやかなつながりが、人生における新しい気づきや挑戦のきっかけをもたらすことを、社会学では「弱い紐帯の強さと呼ぶことを知りました。家族や親しい友人とは異なる、ゆるやかなつながりだからこそ、自分の知らなかった世界や可能性に出会える。その言葉は、まさに今回の私自身の経験を表しているように感じました。

まだまだ自分が何者で、何がやりたいのか、NPOや、二枚目の名刺の中でどう向き合っていくのか、手探り状態です。 「あきらめたらそこで試合終了ですよ」、大好きなスラムダンクの中で出てくる安西先生の名言です。 気負うことなく、そんな自分と向き合っていきたいと思います。

帰りの駅から見た景色、走馬灯のように3ヶ月の日々が思い出されました。今でも忘れられない記憶です。

 

 

 

まだ見ぬ第2期の皆さんへ

最初から「やりたいこと」が明確でなくてもいいと思います。 特別なスキルがなくてもいい。 「自分に何ができるんだろう」と思いながら参加していい。 むしろ、そこから始まるのがHello!福島なのだと思います。 普段いる場所を一歩出ると、違う価値観を持つ人に出会います。 そこで少し戸惑ったり、考え直したりする。 そして、いつの間にか、自分の見ていた景色が少し変わっている。 決して特別なことではありません。 ただ、一歩踏み出せば、きっと今までとは違う景色が見えてくるはずです。 Hello!福島で、まだ見ぬ仲間と出会えることを楽しみにしています。

★【2026.9.20締切】第2期募集!福島ソーシャルコラボレーションプロジェクト

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カメラマン

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大久保 努(とむ)
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ITサービス業界で、プロジェクトマネージャーとして長年に渡り従事。 趣味はランニングと、低山登山(最近は自粛中)。 2025年Hello!福島に社会人として参加し、2026年よりデザイナーとして二枚目の名刺の活動に参画。モットーは、「なんくるないさ〜」。
二枚目の名刺 編集部
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