自分らしく働くことを諦めない「わたしのパラレルキャリア」の築き方【前編】
9/29(土)に開催した、オンラインサロン「Think In Move」×「NPO法人二枚目の名刺」×パーソルホールディングス「ママボラン」のコラボ企画WOMAN TIES vol.3 #わたしのパラレルキャリアのイベントレポートをお届けします!
※この記事はWOMAN TIESのブログに掲載されたイベントレポートを一部編集し、転載したものです。
女性が自分の足で自分の道を切り拓く時代
「パラレルキャリア」「複業」「公私混同」というワードがメディアで取り上げられるようになってきました。
会社員やフリーランスとして働きながら、主婦や子育てをしながら、自分の好きなことを活かしてもう1つ活動をする女性も珍しくない世の中です。キャリアの中断とも言われた妊娠、出産のライフイベントも、今や「会社から離れて、別のことに挑戦できる機会」とも言えます。
様々な制限を超えて、自分らしく働きたいという理想を持つ女性が、自分の足で自分の道を切り拓く時代が始まっています。
働き方や手段はそれぞれですが、共通しているのは「こう在りたい」「こんな風に働きたい」という理想だったり、楽しく働くことへの強い想いかもしれません。
そんな想いを持つ女性たちを繋ぎ、それぞれの働き方やキャリアをシェアするコミュニティーが「WOMAN TIES」です。
パラレルキャリアを実践している人のためのオンラインサロン「Think In Move(通称TIMサロン)」の有志メンバーで2018年1月に立ち上げたコミュニティーで、パラレルキャリア実践者のトークライブ、自分と向き合いモヤモヤを紐解くワーク、ワークの内容をシェアして周りと意見交換をする座談会の3コンテンツで構成されています。
「自分よりちょっと先を歩いている人の話が聞きたい」
「自分と同じ悩みやモヤモヤを抱えている人と繋がりたい」
WOMAN TIESは働き方やキャリアに悩む私自身(TIMサロン管理人の浜本晴菜)が求めていた場所を、自分で作ろうと思ったところから始まりました。会社員をしながらパラレルキャリアを続ける中で、結婚、出産というライフイベントを経て、今後の働き方に悩んだ時期がありました。「こんな風に働き続けたい」という理想は人一倍強く、常に理想と現実のギャップに苦しんでいたように思います。
でもWOMAN TIESを立ち上げ、同じように悩む女性たちと出会い、その中で自分なりのやり方を見つけてきた話を聞いて、少しずつではありますが自分の中にも答えが見えてきたようにも感じます。
同時に、このコミュニティーを通して同じように悩む女性たちの背中を押したいという強い想いも芽生えたのです。
第一弾では自分と向き合って理想を明確化するワーク、第二弾は本業以外の強みを見つけるワーク、と毎回テーマを変えて働く女性たちの悩みと向き合ってきました。
そして今回は初めてのコラボ企画として、同じくパラレルキャリアを応援するNPO法人二枚目の名刺、そして育休中のボランティアプログラムを運営するパーソルホールディングスのママボランと組むこととなりました。
それぞれの団体から、会社員、フリーランス、複業などスタイルは違えど、自分の好きなことや得意なことを活かしてパラレルキャリアを実践している4人の女性に、それぞれの働き方や歩んできたキャリアについて話を聴きました。
今でこそ好きなことを仕事にしていたり、本業とパラレルキャリアを両立している彼女たちが、どうやって始めたのか、どんな葛藤があったのか、なぜ続けてこられたのか、参加者が一番気になるであろう「始めの一歩」の部分にスポットライトを当てたトークライブを実施しました。
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パラレルキャリア実践者の「始めの一歩」
登壇者は働き方も属性もライフステージも異なる4人の女性。
1つのトークライブの中で様々なタイプの人の話を聞けることを重視して人選を行いました。
1.専業主婦時代のブログがきっかけでフリーのスタイリストへ 菅野有希子さん
2.会社員をしながら趣味が高じてパラレルキャリアに tokoさん
3.3つの肩書きを掛け持ちする複業スタイル 海野千尋さん
4.育休を活かして企業ボランティアに挑戦 前田留実さん
トークライブは、一児の母であり人材会社で営業職のマネージャーとして働くTIMサロンメンバー坪倉の進行で行われました。
坪倉:まずはみなさんのパラレルキャリアの始めたきっかけ、最初の一歩を教えてください。
菅野さん(以下:菅野):結婚後、当時は専業主婦でした。仕事はしなきゃなーと色んなことに手を出していて、「すぐ仕事になるかも」と血迷ってネイリストの資格とかとったりしていました(笑)。そんな中で、自分の好きなことを、仕事にならなくていいからやってみたら?と夫に言われたのがきっかけで、Facebookにあげていた夜ご飯の写真をまとめて「おうち居酒屋のススメ」というブログを始めてみたのが今の仕事に繋がっています。
tokoさん(以下:toko):新卒一年目のとき、毎月月初の土曜日の朝に前の月の振り返りをして、その月の目標を共有するコミュニティーに参加していました。そこで出会ったメンバーに、もし仕事が上手くいかなくなったときに「人生のプランB」のような打ち込めるものを別に持っておくといいよ!と言われて、探し始めたのがきっかけです。
海野さん(以下:海野):3.11の震災のときに「まじで死ぬかもしれない」と思って、当時は無職だったのですが、次に仕事をする時は二つ以上の仕事をすると決めました。ちょうど当時読んでいた伊藤洋志さんの「ナリワイをつくる」の影響もあり、複数の場所を持つと決めて働き始めました。
前田さん(以下:前田):私はずっと同じ会社でベンチャー企業を支援育成する仕事をしていたのですが、本当に彼らのことをわかっているだろうか?というもやもやがありました。35歳で第一子を出産して、子どもが待機児童になってしまったときに、「このままママ友とランチしててもしょうがない!」と思って、働きたい欲求が湧いてきたんです。ネットサーフィンで育休インターンを知って、今しかできないことだと思い、ベンチャー企業で育休ボランティアをスタートしました。
もう一つの活動が“2枚目の名刺”になった瞬間
坪倉 きっかけはみなさんそれぞれですが、「パラレルキャリアを始めよう!」と思って始めている人は聞く限りいなかったですね。
では、その活動がいつくらいからパラレルキャリアと呼べるようになったのでしょうか?
前田:laxicの育休インターンに応募して働き始めたときです。
海野:6年前、女性の就労支援をしているNPO法人ArrowArrowで働いている時に、「もう一つ仕事をやりたいんです」と代表に相談したときからスタートしていますね。
toko:私は趣味が高じているタイプなので正式に「いつ」は分からないですね。最初にやりたいことをリストアップした中で、刺繍が一番楽しくて、しっくりくると思いました。でも刺繍って作っても部屋に溜まっていくので、それをバースアナウンスメントや結婚式のウェルカムボードなど人にあげられるものに展開し始めたのがパラレルキャリアの最初の一歩かもしれません。
菅野:2014年にブログを始めたとき、最初は料理の人だと思われていたんです。だんだん「食に詳しい人らしい」と周りに広まっていった一年を過ごして、2015年に入ってから自分でWebマガジンを立ち上げました。
料理が好きなわけではなく、器や演出が好きだったのでテーブルコーディネートの勉強を始めて、「料理の人」からだんだん周りの印象をずらしていくようにしていました。
そうしていると、2016年くらいから私のブログやWebマガジンを見た方から声をかけてもらい、コラム執筆などの仕事に繋がり始めました。
パラレルキャリアを始めたことによる気持ちの変化
坪倉:みなさん、一歩を踏み出してから、コツコツと続けている中で自分の進みたい方に軌道修正していったんですね。では、次はパラレルキャリアの活動を始める前と後での気持ちの変化などはありましたか?
toko:自分から作ってプレゼントすることから、「作って欲しい」というリクエストが得られたときは大きな変化でした。バースアナウンスメントや結婚式のウェルカムボードなど、誰かの人生に寄り添うものを頼まれるようになったこと、さらにそれに値段をつけて、それが受け入れられたことが自分の中では意識の違いになりました。
海野:変化は、単純に自分が好きなことを複数やっているだけなので「ただ楽しい」という気持ちが増えたこと。自分で選んでやっているので、楽しいけど辛いこともあるのは覚悟していますね。
前田:そもそも子どもが生まれて価値観が変わりました。そんな中でずっと育休中は「働くってなんだろう」を考えていたんです。laxicやママボランで働いたことで、私は働くことが好きなんだ、楽しいんだということに改めて気付けました。
菅野:みなさんと違うのは、当時は会社に勤めているわけでもなかったので本当に何もなくて……集まりとかに参加したときに「何されているんですか?」と聞かれるのがすごく嫌だったんです、何もないから! 趣味もなかったし、人に話せることもなかった私が、ブログや食卓作りの活動を始めたことで、ブログやってますよね? おうち居酒屋美味しそうですよね? という印象がついて、それ(やっていること)を自分のものとして話せるようになったことが嬉しかったです。
一歩を踏み出して行動に移すことで、自分をさらに良く知れた、自分を語れる自信がついた、人の役に立っている実感が持てたという気持ちの変化が印象的な「きっかけトーク」でした。
すぐに形になる大きな目標ではなく、まずは今いる場所でできる小さなファーストステップは何か?を考えてみることが、パラレルキャリアの本当の一歩だと感じられました。
写真:村上あゆ美
ライター
編集者
カメラマン