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【LO活プロジェクト①】週4勤務+地域で働く!今いる環境から一歩踏み出したからこそ見えたものとは?

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「自分が育った地域をもっと盛り上げたい」
「自分の家族を大切にして仕事をしたい」
「自分の故郷で就職したいけどどんな風に探して良いか分からない」

「働く」ということを考えるとき、都心部で働く以外にこんな選択肢を考えている人がいる。
そして「ローカルな場所で働きたい」というニーズをサポートするプロジェクトがある。

プロジェクト名はLO活(ローカツ/「Local」と「就活」をつなげた言葉)。
地方・地域への就職・転職を検討している若い世代を応援し、全国46の地方自治体(道府県)や200以上の学校・大学との連携により、地方就職に特化した情報を詳しく掲載し、地域で働くことを後押ししている。

二枚目の名刺が見えている最近のパラレルキャリア状況は・・・。

「パラレルキャリアをやってみたい」そう思った時、多くの人は、今自分がいる場所の中でできる仕事を複数にして増やすというイメージでいるだろう。
しかし最近は「場所を増やす」という形でパラレルキャリアを実現している人がいる。

この10年近くだろうか、地方・地域に関わる言葉がぐんと増えてきた。
地方創生。関係人口。ローカルプロジェクト。

今自分が住み暮らす場所から離れた場所で関わることや生み出したもの、つながった人との関係が、自分の生活や暮らしを豊かにしていくことは周知されてきた。そして今、さらにそれらを自分のキャリアにつなげていく人が出現し始めたのだ。

LO活プロジェクトなども同様で、そのような地域への働きを通して自分のキャリアを作る”2枚目の名刺の体現者たち”が増加していくし、それを後押しする人たちも出てきた。

“場所への一歩”を踏み出した山口順平さん(やまぐちじゅんぺい 以下、山口さん)から、どんな風に地域へ一歩踏み出していったのか、その道順を聞く。

山口順平(やまぐち じゅんぺい 以下、山口さん)さん

パーソルイノベーション(株)新規事業創造プログラム「Drit(ドリット)」企画担当
NPO法人 湘南スタイル「湘南100CLUB」リーダー
・国家資格キャリアコンサルタント

1977年東京都目黒区生まれ、神奈川県茅ヶ崎市在住。2002年旧インテリジェンス入社。人材派遣事業部営業を経て2011年に公共事業部へ。2016年長野県塩尻市と東京のビジネスマンをつなぐ「第2のふるさとシェアリング」を立ち上げる。2017年神奈川県茅ヶ崎市で市民活動団体「らしくる」を立ち上げる。同年、会社の制度を利用し、週4日勤務を申請。2018年NPO法人 湘南スタイル「湘南100CLUB」をスタート。

はじまりは危機感から。30代半ばで惑い、焦る日々

入社した人材業界にて30代半ばという年齢で管理職になった山口さん。他者から見たら社会人として順風満帆と言えるようなキャリア。マネジャーとなり若者就労支援に携わっていた時、社内表彰制度で「ベストマネジャー賞」など功績を得ることがあった。嬉しさの反面、違う気持ちが混在していたという。

「目標を見失っていた時期でもありました。このままでは“会社のグチを居酒屋で発散するサラリーマン”になってしまうと恐怖さえ抱えていました。一番の問題は“予算がないから仕方ない”とか“あの人が悪い”とか、他人のせいにし始めたことに危機感を感じました」

情熱をもって仕事をするにはどうすればいいのかと転職も現実的に考えるようになった矢先、胃腸炎にかかって4日間入院することになってしまう。
点滴のチューブにつながれて病院のベッドに横たわり天井を見つめながら、「自分は何をしたいんだ?」と考え続ける時間となった。

「その時すでに38歳だったので青臭いんですけど、自分はここで動かないと一生このままだ、一歩飛び出そうと決めました。そのための手段が転職なのかというと違うだろうと。環境を変えたところで自分が変われるわけではない。それまでの自分が取ったことのない行動をしてみようと、会社の外に目を向けました」

その当時“地方創生”が注目されているタイミングでもあった。
これまでの人生と縁もゆかりもない場所である長野県塩尻市の農家と関わり課題を解決するツアー「地域イノベーター留学」に個人で応募してみることに最初の一歩を踏み出した。

一歩踏み出したその先。豊かな地方の暮らし、繋がった人たち

地域イノベーター留学のプログラム期間は半年。東京から4人、塩尻市で4人の8人でグループを作り、情報収集から課題解決のためのアイデアを出し、事業として考え、最後はプレゼンをするという一連のプログラムだった。調査と提案に塩尻市へ行きワークを重ねていく中で、山口さんのチームは農作物を既存販売ルートではない形で販売し、兼業農家を支援するビジネスモデルを提案した。
結果的に事業化には至らなかったが、山口さんの気持ちに大きく残ったものがあった。それがここで得られた塩尻市の人たちとのつながりだった。もう一度つながりたい…という想いが湧いていく。その想いが自ら社会活動をスタートさせる起因となった。

「半年間のプログラムでわかったことは、“地方創生”と地方をサポートする感覚でいたら、地方の人の暮らしはすでに豊かであるということ。むしろ私たち都会の人間のほうが疲れている。だったら、都会の人間を“第2のふるさと”として塩尻市に連れて行くのはどうだろうかと考えました」

立ち上げたのは、“第2のふるさとシェアリング”というプロジェクト。都心で募った仲間十数人で訪れ、長野県塩尻市で、ピーマンの苗を数千個単位で植えたりトラクターに乗って田植えをしたり、農家体験をする。その代わり宿泊は農家の自宅にお願いする仕組みだ。

土や農作物に触れ地元の人と関わることで、この場所が自分にとって「第2のふるさと」になる。農家にとっては皆で作業し、夜はお酒を酌み交わしながら意見交換する新鮮さを享受しているようだ。
今もこの取り組みは続いており、双方が求めていたことに合致しているからこその継続だと理解できる。

「“一歩目を軽くする”のはとても大事。地元にいつか帰ろうと考えているのであれば、帰省の際に飲み仲間と昔の同級生に会うだけに留まらず、半歩広げて地元で地域活動している人に会ってみるとか。異質な存在に触れる機会を作ってみるといいと思います」

一歩飛び出して塩尻市で半年間でも関わり動いたからこそ見えた知見と想い。山口さんの一歩が、自ら創り出すプロジェクトにつながっていったのだった。

小さな自信の積み重ねが次のチャレンジを生んだ

「塩尻市での活動に手ごたえがありました。自ら動くことで周囲を巻き込み、いろんな反応が返ってくることもおもしろくて。活動を通して自分の強みに気づき、小さな自信を積み重ねることができました。この輪を広げればもっと周囲の役に立てるのではないかと思うようになって。今度は、自分の住んでいる街と積極的にかかわって自分の居場所を豊かにしてみようと思い立ち、茅ヶ崎市で新しい活動を始めました」

翌年2017年には茅ヶ崎市で市民活動団体「らしくる」を立ち上げた。

塩尻市での活動とテーマは同じで「地域」。
誰を幸せにしたいかと考えたときに真っ先に思い浮かんだのは、90歳を過ぎて長期間介護施設で生活する祖母のことだったという。頭の中で揺らめいていた言葉は、「幸せとは何なのか」。“人生100年”といわれる時代に楽しく生きるにはどうしたらいいか?豊かさとは一体なんなのか?そんな問いを追求してみようとシニアに焦点を当てて活動することに決めた。

2018年には「湘南100CLUB」というNPO法人の活動も始め、現在はリーダーを務める。地域で尊敬するシニアを「マイレジェンド」と呼び、地域をつなげるかけ橋としてインタビューしHPや冊子に掲載・発行をする活動である。湘南100CLUBは企画運営を20代~70代の年齢・職種も多様なおよそ20名が担っている。

「会社とは違う場所でチャレンジしたからこそ、会社ではできないことに飛び込めました。会社員のままでも、私みたいな形でできるよう、挑戦のハードルを低く捉えてもらえたらうれしいですね。まず小さな一歩を踏み出す。その一歩から小さな自信を積み重ね、自信が伝播して雪だるま式に行動の範囲が大きくなっていきます」

週4勤務、週1社会活動の新しい働き方、そこから見えたネクストステップ

本業であるパーソルホールディングス株式会社では、ちょうど人事制度が新しくなり、週4勤務が可能となった。山口さんは前述の湘南100CLUB立ち上げの頃と重なり早速チャレンジすることに決めたという。

「本業で4日、社会活動に1日を費やすことで、互いにその活動で得たことを影響させ合えられていると思います。例えば以前の公共事業に関する部署では自治体委託事業としてシニアや若者の就職支援をしていましたが、自治体からの課題やテーマに対して、地域活動で対象者と接しているからこそ、リアルな生活者の声を反映した提案ができたんです」

柔軟な働き方を経て、より一層地域・地方の場所で得た学びを、スライドさせるようにキャリアへつなげていく。
週4日勤務は1年限定の人事制度であったため、2019年からは週5日勤務し週1回の社会活動は引き続き週末や有給休暇取得で行っているという。
ただその期間中を経て見えた課題があった。
社会活動の社会的な価値と経済的な価値を両立させることの難しさだった。地域生活や社会にとって価値あることであっても、事業として収益を得て持続的に成り立たせることは実際とても難しい。

このもどかしさを超えていくため、山口さんはビジネスの本場をもっと経験して知見を貯めようと、会社で「パーソルイノベーション」という新しい部署へ異動を希望した。新規事業の芽を作っていく部署で、起案段階のワークショップや社内・社外の新規事業の立ち上げのサポートをしているという。

会社生活と社会活動の両立。
半年間のプログラムの時もあれば、スポットの時もあったり、週4・週1勤務体制にしたり、さまざまな働き方のトライをしておよそ3年。
それぞれで得たものを互いに還元できる生き方を山口さんは進んでいる。

誰もが自分のキャリアを自分でデザインしないといけなくなった。山口さんのように地域・地方とつながって働くことも自分の選択肢の1つ。地方移住も視野に入れつつ、自身のキャリアデザインを模索する20代後半~30代のビジネスパーソンに向けたイベント「キャリアにinnovationを~地域×自分=新しい未来につながる第1歩を~」

11月27日(水)19:30~21:45 @the C(東京・神田)
イベント詳細やお申し込みはコチラから!

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海野 千尋
海野 千尋
編集者
2枚目の名刺webマガジン編集者。複数の場所でパラレルキャリアとして働く。「働く」「働き方」「生き方」に特化した取材、記事などの編集・ライターとして活動している。
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