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本業では続けられなかった好きな仕事をパラレルキャリアで実現

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前回に続き、「NPO法人マギーズ東京プロジェクト」で活躍するスタッフのインタビューをお届けします。

【「マギーズ東京」スタッフのインタビューは全4回!】

1)本業先の企業をも巻き込んだプロボノで得たものは「未来に対する期待」

2)本業としては続けられなかった好きな仕事をパラレルキャリアで実現

3)「ルームメイトの夢が自分の夢に」友人だからこそできるプロジェクト調整役

4)NPOを知り尽くした議員秘書が、がん患者のための施設「マギーズ東京」に掛ける想い

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不動産管理会社に勤務しながら、「マギーズ東京」でITチームの一員として活動している蓑浦万紀子さん。自身が乳がんのサバイバーであるという蓑浦さんに、本業とは異なる仕事を担っている理由やマギーズに関わることになったきっかけ、施設に対する思いを伺いました。

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NPO法人マギーズ東京

ITチーム

蓑浦万紀子さん

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本職では続けていくことが難しかった“好きな仕事”

—本業とは異なるITの分野を担当されているのはなぜですか?

以前SEとして働いていた時期があったからです。最初、マギーズにはイベントの受付などのボランティアとして関わっていたのですが、女性ばかりの組織の中に、ITを得意とする人があまりいなかったので、1年ほど前からシステムまわりを担当するようになりました。

 

—本業とは違う分野で関わるのは大変ではないですか?

システムの仕事は好きでやっていたのですが、本業にするとなるとどうしてもハードワークになってしまうので、諦めてしまったのです。もともと興味のある分野なので、楽しく関わらせてもらっています。ただ、仕事でSEをしていたのは随分前のこと。ITの世界はサイクルが早いので、最新の技術は勉強しながら。そういった意味では大変ですね。

 

—どれくらいの時間をマギーズの活動に割いていますか?

平均すると週に10時間くらいになると思います。他にマギーズ全体での集まりが月に2回、もうひとりのIT担当の方との対面ミーティングが月1回。あとはメールやLINEでほぼ毎日やりとりをしながら、オンライン上でミーティングを行っています。

 

—そんなに活動されていて、本業への影響はありませんか?

本業が忙しいときは、少し待ってもらうこともあります。どうしても本業が優先ですし、私の場合は本業とリンクする部分が全くないので…。

 

 

がん患者だった自分の経験を、社会のために役立てたい

—マギーズを知ったきっかけは?

私は、32歳で乳がんを経験したサバイバーです。マギーズ共同代表の鈴木美穂さんの会社の先輩にあたる人が私の友人で、その方にマギーズの前身である「Cue!」(※がん患者のためのワークショップ)のことを教えてもらいました。最初は一般の参加者としてヨガなどのワークショップに参加していたのですが、美穂さんに声をかけてもらい、運営にも関わるようになりました。

 

—運営側として関わろうと思ったのはなぜですか?

他のメンバーからも「ぜひ!」と言ってもらえたことが大きかったですね。プライベートでの付き合いも自然とするようになっていたので、入りやすかったということもあります。メンバーの中にサバイバーの方がいなかったので、経験者として何かできることがあるはずだと思いました。

 

—ご自身の経験から、がんの患者さんにはどんなサポートが必要だと思われますか?

私の場合、検査を受けてから手術を終えるまで、なかなか外に出て行くことができませんでした。がんであることをひとりで抱えて悶々とした日々を送っていたのです。家族には助けてもらっていましたが、がんについての知識を持っているわけではなく、あまり相談することができませんでした。自分でも今後どうなるかが分からなかったのが辛かったですね。「こうしてみたら?」「こんな治療法があるよ」「身体はこんな風になるよ」ということを教えてくれる場所があれば、心強かったと思います。

 

—そんな蓑浦さんのご経験が、マギーズに来る方の支えになりそうです。

今でこそ、自分の経験を社会に役立てられたらと思っていますが、そう思えるようになったのは、治療を受けて2年くらい経った頃から。実は、「Cue!」に参加して初めて自分は乳がんのサバイバーであることを、家族やごく一部の親しい友人以外に告白できたのです。それまでは、なかなか人に言えませんでした。

 

—それはなぜですか?

自分自身が受け入れるまでに時間がかかったのです。私は32歳でがんになりました。特に女性は、若いほどそう思うのかもしれませんが、「子どもを産むことが叶わないかもしれない…」という気持ちを抱くたびに、とても辛かった…。乳がん経験者は、脱いでしまえば見た目が変わってしまっています。私は一部温存していますが、毎日お風呂に入るたびに乳がんになったという現実を目の当たりにしては落ち込んでいましたね。

 

—マギーズセンターのような場所があれば、違っていたと思いますか?

私の場合、がんであるということ自体や辛い、苦しいという気持ちをひとりで抱えてしまっていました。でも、もし誰かに相談できていたら、もっと早く外に出て、その分充実した時間を送れていたと思いますし、私の場合、話せるようになってからの生活の方が、それ以前よりも充実しています。そういう意味でも、“がん患者さんのための居場所”であるマギーズの存在は大きなものだと思いますし、気軽に胸の内を話してもらえる場所にしていきたいですね。

 

—最後に、今後マギーズにどう関わっていきたいですか?

今は10月10日のオープンに向けてHPをリニューアルしているところですが、実際にマギーズ東京が走り始めたら、もう少し現場のスタッフに近いところでがん患者の方と関わることもできたらいいなと考えています。そして、私自身も参加者として利用したいですね。だって、ここはサバイバーが来ても良い場所ですから。

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終始にこやかな笑顔でインタビューに答えてくれた蓑浦さん。がんを克服し、2つの仕事を勢力的にこなす蓑浦さんの笑顔が、がんで悩んでいる人やその家族の心の支えになりそうです。
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【「マギーズ東京」スタッフのインタビューは全4回!】1)本業先の企業をも巻き込んだプロボノで得たものは「未来に対する期待」

2)本業としては続けられなかった好きな仕事をパラレルキャリアで実現

3)「ルームメイトの夢が自分の夢に」友人だからこそできるプロジェクト調整役

4)NPOを知り尽くした議員秘書が、がん患者のための施設「マギーズ東京」に掛ける想い

マギーズ東京

10月10日グランドオープン!

10月10日と11日に、マギーズ東京のオープンを祝うフェスティバルが開催されます。マギーズ東京の内覧ができるほか、ステージイベントやチャリティーフリーマーケット、オークションなども開催予定。参加無料。

【詳しくはこちら】

マギーズ東京HP

マギーズ東京Facebookページ

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はしもと ゆふこ
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女性誌出身の編集者。 「人生100年時代」に通用する編集者になるべく、雑誌とWebメディアの両方でキャリアを重ねる。趣味は占い。現在メインで担当するWebメディアで占いコーナーを立ち上げ、そこで独自の占いを発信すべく、日々研究に励んでいる。目標は「占い師」という2枚目の名刺を持つこと。