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【育休インターン体験記#13】育休中の不安が自信に変わった半年間〜ママボラン振り返り総集編(前編)〜

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この記事は、大企業で働く2児の母で、パラレルキャリアコミュニティThink In Moveを主宰する

浜本晴菜さんがnoteに執筆した育休インターン日記を転載したものです。

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無事に子ども2人とも同じ保育園から内定をいただき、4月復職が正式に決まりました。ママボランでの活動も3月頭で半年が経つので卒業! 本当にあっという間、でも間違いなく私の人生の転機となった貴重な半年間でした。

活動当初から続けてきたママボランコラムもあと2回で終了です。ラスト2本は「ママボラン振り返り総集編」として前編と後編に分けて、私の育休の振り返りと、復職後にママボランでの経験をどう活かすかをまとめてみたいと思います。

「気合い」がガソリンだった2人目産休前

1人目の育休中は初めての育児に追われながらも、オンラインサロンを運営したり、イベントを企画したり、パラレルキャリアをしたり、私なりに有意義に過ごしていましたが、やっぱり仕事を通しての社会とのつながりや、自分が世の中の役に立っている実感が恋しくて、いつしか「早く会社に戻りたい」と思うようになっていました。

娘が10カ月の時に無認可保育園に預けてフルタイムで復職、その時私が目指してしまったのは「出産前と同じ働き方」でした。「子どもがいても、産前と同じスピード感とクオリティーで仕事ができる自分」を追い求めてしまったのです。

「子どもがいるからしょうがないね」と周りに思われないように必死だったのだと思います。たしかに周りからは「全然変わらないね!」「ますますパワーアップしてるね!」と評価してもらいましたが、その裏側で子どもを遅くまで保育園に預け、緊急時には外部に頼らず夫婦で何とかしようと走り回り、家事も回せていない状態でした。

かなり融通の効く保育園だったことと、夫も協力的かつ主体的に動いてくれるタイプなので何とかなっていましたが、この「気合い」をガソリンにした働き方は子どもが増えたら通用しないな~と不安を抱えながら2人目の産休に入ったことを覚えています。

復職後を見越した「育休戦略」

2人目の産休・育休は徹底的に働き方の見直しをすること、これからのキャリアについて考えること、そして育休中に何かしらキャリアの幅を広げて復職後につながる活動をすることを決めていました。

いろいろやりたいことはあったのですが、ただ、全部やってみることで経験値の点を増やすのではなく、点と点を線でつないでいけるような育休にしたいと考えていました。

前回の育休は会社とのつながりがプツっと切れて、解放されたような感覚でいろんな活動をして、それはそれで充実していたのですが、今回は会社ともゆるくつながりながら、最終的には復職にも何かしら役に立つような活動をしたいという私なりの育休戦略がありました。

育休ボランティアで「キャリアのブランクをブライトに」

産後、体調も安定していてモチベーションもあり余っていたので、人に会ったり、育休中にできることをリサーチしていく中で、「自分の会社以外の働き方を知りたい」と考えるようになり、他社で働く友達に話を聞いたり、育休インターンについて調べたりしてアンテナを張っていたところ、「ママボランに登録してみた!」という友人の投稿を見つけました。

そして即ママボランをググってみたところ、求めていたことがすべて詰まったサービスで、震えながらその場で登録をしました。

まず共感したのが「キャリアのブランクをブライトに」というコンセプト。育休中だからこそいろいろ不安になる仕事のこと、今後の働き方、キャリアプラン……。会社から離れている期間を「ブランク」ととらえるのではなく、その期間を使って他社で働くことで不安を自信に変え、キャリアをブライトにしていくという思いにとても共感しました。

そしてボランティア先の企業がベンチャーやNPO法人がメインだというところも、今働いている会社では得られない経験ができそうだという期待感がありました。

さらにベビーシッターや家事代行サービスなどから選べる充分過ぎるほどの両立サポートは、育休中から家事育児タスクを第三者に手放すきっかけ作りになり、復職準備に直結するサポートでした。

ボランティア先の事業への共感と挑戦

ママボラン登録からボランティア先決定までの流れは、ママボラン事務局による丁寧なサポートによって進められます。Start Up Program(SUP)というこれまでのキャリアを振り返り、これからの働き方を考えるワークを行い、自分のCANとWILLを明確化したうえで、提案されたボランティア先からエントリーします。

社内研修でもCANとWILLを考えるワークはやったことがあるのですが、やっぱり「会社の中」という枠の中で考えてしまうので、制限がありましたが、SUPでは会社関係なく自分のできることややりたいことを整理して、どうありたいか、どんな働き方をしたいかを言語化できたのが良かったです。

紹介されたボランティア先からコドモンを選んだのは、正直直感です。「保育園」という自分にとって身近な環境に、ITの力で切り込んでいき、課題解決をしているベンチャー企業と聞いて、「子どもたちを取り巻く環境を良くしていこうとしている事業」に興味を持ちました。

ITのことはよく分からないし、ベンチャー企業で自分が通用するかも不安でした。でもそれを上回る新しい挑戦へのワクワク感が勝ちました。あれこれ不安要素を考えるよりも先に、この挑戦を通してどんな景色が見えるだろうか?という好奇心の方が強かったのです。SUP終了後に、「エントリーどうしますか?」という事務局カネコさんの問いかけに、間髪入れずに「やります」と即答していました。

圧倒されたベンチャー企業のスピード感

そこからの流れは初期のコラムに詳しく書いているのでぜひ読み返していただきたいのですが、コドモンでママボランを始めて半年間も続けてこられたのはなぜか、をあらためて考えてみました。

ママボランの最短活動期間は2カ月です。始める前は「2カ月あれば会社にも慣れるし、会社の中のこと、働く人のこと、働き方、なんとなく見えるだろう」と思っていました。新しいこと好きの私なら、2カ月で別のボランティア先に切り替えて育休中に3社くらいいろんな企業で働いてみて、戦略的に経験を積むということも考えたかもしれません。

でも、コドモンでボランティアを始めて、1度も「別の会社も見てみたい」とは思いませんでした。毎回の打ち合わせが楽しくて、主体的に動くことが面白くて、普段の生活の中や母親としての自分の意見の中に仕事のヒントが多すぎて、自分にできることを探して形にしながら走り続けた半年間でした。

コドモンという会社は本当に「ナマモノ」で、毎日のように変化があります。2週間ぶりに出社すると何かが変わっています。「渋谷区の認可園に導入が決まったんです!」「社名がスパインラボからコドモンに変わりました!」「ベネッセさんと業務提携することになりました!」「仲間がまた増えました!」「打ち合わせスペースができました!」もう毎回ニュースが絶えません。日々アップデートされるコドモンの中で、自分ももっと進化しなくては、何かアウトプットしなくてはという気持ちが後押しされています。

このベンチャーならではの変化の多さとスピード感の中で、自分自身を更新しながら、アクションし続けるというクセがついたように思います。大企業の中では同じサイクル、同じやり方の仕事が定着してしまいがちですが、ベンチャーでは毎回やり方を変える、仕組みから考える、トライ&エラーを高速でくり返すというような臨機応変な対応が求められるように感じます。企業の成長スピードや変化を間近で見ることができた半年間は、これからの働き方を考えるうえで非常に貴重な経験となりました。

大企業とベンチャー企業、その違い

新卒で大手企業に入社してから8年間、私はずっと仕事が好きでした。仕事を通して見える世界や、世の中に届けられる新しい価値、生活者にもたらす変化、すべてにワクワクしていました。

幸せなことに、私は就活の時から希望していた「アイディアを形にして世の中に届ける仕事」に就いています。商品企画やパッケージデザイン、それを売る、届ける、伝えるための企画提案をずっとやってきました。もちろん楽しいことばかりではありませんが、商品が発売されるとき、それが多くの人に手に取ってもらえることにやりがいを感じていましたし、自分にとても合っている仕事だと感じています。そしてコドモンでは本業での経験を活かして、サービスのマーケティングや、既存概念を変えていくための企画やコンテンツ作りに挑戦させていただいています。

ベンチャーの仕事を通して見える世界は、今まで以上に自分と仕事を通して役に立てる人の距離が近いように感じます。コドモンでのボランティアは、保育士さんや子どもたちというとても身近であり、かつ自分にとって大切な人たちのためになっているので、「仕事を通して良くしていける世界にいる人たち」が見えるということは、仕事の楽しさややりがいを支える大きな要因なのかもしれません。

「自由でかっこいいお母さん」でありたい

大手企業とベンチャー企業、真逆の環境で働いてみて分かったことは、「やっぱり私は働くことが好きだ」ということ。仕事の規模ややり方は違えど、仕事を通して新しい世界を見ることや、誰かの役に立てること、何かを良い方向へ変えていくことは私にとってかけがえのない喜びであり、これは育児では得ることのできない幸せだと感じます。

幼い我が子との時間を過ごすこと、その成長を見守ることも今しかできないことであり、親としての幸せであることは間違いありません。でも同時に私は自分らしく働き続けることで、子どもたちに自由でかっこいいお母さんの背中を見せたい、と強く思っています。

子どもたちにもそれぞれ個性があり、自我と意思があり、いつまでもお母さんのほうを向いているわけではありません。子どもたちにも子どもたちの人生があります。どんどん自分たちの目指す方向に舵を切り始めている子どもたちに負けないように、私も自分の人生を自分の足で歩んでいきたいと思います。

不安が自信に変わった半年間

仕事復帰に迷いはありません。育休にブランクも感じていません。ママボランに出会いコドモンでボランティアをしたことで、自分の強みを再認識できて、自分の進みたい方向が見えて、自分自身の手で舵を切ってこれからのキャリアを切り拓いていく自信が身につきました

子どもとの生活はアンコントローラブルな出来事の連続です。バタバタな日常にばかり目を向けてしまうと、自信もなくなり、自己肯定感も下がってしまいます。

キャリアが中断されて、将来の見通しが立たない育休中だからこそ、ママボランに挑戦することで自分のスキルを試し、キャリアの道をつなぎ止めるきっかけにしてほしいと思います。今まで歩いていた道がより太く歩きやすい道になるかもしれないし、分かれ道になって地図にはなかった道が見つかるかもしれません。

でもそんな新たな発見も楽しむことで、育休をよりブライトに、自分らしく輝ける期間にしてほしいです。ママボランを経験したママたちが、すがすがしい晴れやかな気持ちで復職の日を迎えて、その後の人生も自分らしくいきいきと歩んでいけるように願っています。

私のママボランでの体験記や、このコラムに残した言葉が、育休中にキャリアに迷い、自分の道を見失ってしまいそうになっているママたちの背中を少しでも押せるのであればこれ以上うれしいことはありません。

>後編に続く

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編集者

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カメラマン

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浜本 晴菜
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1989年生まれ。会社員としてパッケージの企画・デザインのディレクターをしながら、パラレルキャリアで「コンセプトストーリープランナー」を名乗り、人・モノ・コト・場所や空間などが持つ”想い”を、ターゲットに的確に届けるための言葉づくりを提案している。 プライベートでは2児の母。育児をしながらも、本業・パラレルキャリアでやりたいことに挑戦し続けることで、世の中の働くママたちの背中を少しでも押したいという想いで、働く女性が繋がり自分らしい働き方をを考えるイベントなどを企画している。 https://note.mu/conceptstory