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アデコの部長がNPOサポートプロジェクトに挑戦!上級管理職が2枚目の名刺を持ってみたら【後編】

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2018年6月からの約3ヶ月間、二枚目の名刺NPOサポートプロジェクトに参加したアデコ株式会社の浅野弘樹さんと岸浩之さん。

前編では、経営企画部門と営業部門で上級管理職を務めるお二人が、なぜパラレルキャリアに興味を持ち、サポートプロジェクトに参加したのか。またそこでどのようなプロジェクトに携わったのかをうかがった。

後編では、サポートプロジェクトを終えた今の感想と今後の展望についてお話しをお聞きする。

前編はこちら↓

アデコの部長がNPOサポートプロジェクトに挑戦!上級管理職が2枚目の名刺を持ってみたら【前編】

2枚目の名刺が「自分の在り方」を見直すきっかけに

―――約3ヶ月のサポートプロジェクトを振り返ってみて、いかがでしたか? 何か得られたものはありましたか?

浅野さん:今一番感じていることは、自分の力で真剣に社会を良くしたいと思っている方々と本気で一緒に活動をすることは、何物にも代えがたい経験だったということです。

エンドオブライフ・ケア協会の小澤(竹俊)先生は、自信を持って「自分はこれをやるために生まれてきたんだ」と言い切るんです。本当に心からそう思われているんですよ。小澤先生だけではなく、協会に関わっているメンバーも、世の中の苦しんでいる人たちに本気で向き合って、少しでもその苦しみを和らげたい、誰もが苦しみを抱えても穏やかに生きていける社会にしたいと思い、活動されている。

そんな方々と一緒に活動をすることで、自分の人生や、生き方、生きる目的を再考するきっかけが得られました。自分の在り方をすごく考えるようになりましたね。

(サポートプロジェクトの中間報告会で協会の理念を発表する浅野さん)

岸さん:僕も今後の働き方について、今まで以上に考えるようになりました。若い人に活躍してもらうために早くポジションをオープンにしたいし、パラレルキャリアの働き方を社内で先駆者的に積極的にやっていきたい。そうすることで、もっと社会に価値を生み出したり、次世代の人たちに影響を与えられたりするかもしれない。あるいは外での気付きや学びを組織に持ち帰れば、それが役立つかもしれない。もっと外に出て、色んなチャレンジをしていきたいですね。

浅野さん:そういう意味では、サポートプロジェクトから勇気をもらいましたよね。社会に対してもっとできることがあると思えるようになったし、バックグラウンドが異なる人たちのコミュニティに入って視野がぐんと広がったし、これまでに触れたことのないテーマに取り組み、学習意欲も高まった。こうした環境の中にいると、クリエイティビティも高まっていくだろうと思います。

今はまだまだ一つの組織で働くことが前提の社会ですが、それではもったいない。みんながもっと自由に組織を行き来したり、関心のあるプロジェクトに関わったりするようになることで、多くの人たちが主体性や創造性を増すのではないか、そんな風に思うようにもなりました。

岸さん:週5日のフルタイム勤務でも、まずは自分ができることで対価を得ない活動をしてみると、できることの幅が広がります。僕自身、「パラレルキャリア」というと、「対価(副収入)を得る」という思い込みがありすぎて、最初の一歩を踏み出すのに時間がかかりました。でも対価を得ずともできることはあるし、行動するだけで得られるものがあるということがわかりました。

(きょうされんプロジェクトでミーティーング中の岸さん。
プロジェクトは平日の夜や休日を使って行われた)

2枚目の名刺を本業のモチベーションや新たな挑戦の種に

―――確かに、別の場所から対価を得ることだけがパラレルキャリアではありませんし、対価にこだわらないことで、スタートのハードルは下がるかもしれません。始めの一歩を踏み出してみて、他にもご自身の変化や仕事のやり方に変化はありましたか?

岸さん:社会に価値を出せる自分の強みが「人材サービスの会社で働いていること」「営業の仕事をしていること」「組織のマネジメントをしていること」の3つだということに気がついてから、「何でもいいのでやらせてください」ではなく、「こんなことができますが、何かお役に立てませんか?」というアプローチに変わりました。そうすると、「ぜひ協力してください」と言ってくれる人もいるし、これまでに接点がなかったような方々とのつながりが持てたりするようになりました。

それに、自分の市場価値が本業の経験やスキルに起因すると知ることで、本業にもますます身が入ることにも気が付きました。

浅野さん: 会社の外で活動してみると、普段の仕事では得られない情報や用語にたくさん出会います。そこで「何だろう?」と思って調べていくと、意外な発見や学びがあるし、新たな興味、関心が沸き起こってくるのです。僕の場合、人に気付きを与えられるコミュニケーションが大切だということを学び、次はワークショップデザイナーに挑戦したいと思っています。

また最近、自分のチームの中でも、「Google社の20%ルール」を模した取り組みを始めています。「仕事をしている中で、自分が伸ばしたい経験や能力を見つけたら宣言し、1年の間でチャレンジする。時間は、今の業務を80に圧縮する努力をしながら、20%はそれに使っても構わない」というものです。例えば2つ掲げたうちの1つしかできなくてもいい。そのチャレンジ自体が大事なのだという心理的安全性も残しながら、新しいことに挑戦し、お互いに高め合える組織作りにチーム全員でチャレンジしています。

(「2枚目の名刺で、普段の仕事では得られないインプットがたくさんありました」と浅野さん)

「年齢は関係なく、最初はみんな不安だ」と思えば大丈夫!

―――最後に、「2枚目の名刺をやってみたいけれど、若い人たちと一緒にやれるかな?」と不安をお持ちの中高年世代の方々にメッセージをいただけますでしょうか。

岸さん:僕も最初の一歩を踏み出したものの、はじめは不安でしたよ。自分が最年長だろうと思っていたので、しっかりとしたアウトプットを出さなきゃ、アイデアを出さなきゃ、そもそも社会常識は大丈夫かなって(笑)。でも若い人たちは若い人たちなりの不安があるだろうし、年齢は関係なく、最初はみんな不安なのだと思ったら、すんなり入っていけました。

浅野さん:参加する前は、すごく意識の高い人たちが集まった場で、自分は通用しないのではないかという不安がありました。プロジェクトを終えた今、確かに「想い」を持った若い人は多いけれど、誰もが自分だからこそできる「何か」が必ずあると断言できます。

岸さん:ヒエラルキー組織では、管理職が「来期はこうしよう」と言うと、「わかりました」というリアクションが返ってきがちです。だからこそ、管理職という鎧を脱いで、対等に意見交換ができるこのような場に参加することの意義を感じます。外部の人たちと接点を持つと、本当に様々な気付きがありますから。

浅野さん:全く同感です。自分の生き方、在り方について考えるようになったのも、学習意欲が高まったのも、この活動があったから。絶対にやったほうがいいけれど、2枚目の名刺を持つためには、働き方の準備も必要です。必然的にタスクは増えるので、時間を確保しなければなりませんから。僕の場合は、もっと朝型にしなきゃなと思っています(笑)。

トップダウンで物事が決まっていく組織の方が、スムーズに業務は進むだろう。特に上の立場に上り詰めるほど、反対意見を述べる人も減り、自分にとってやりやすい環境が整っていくのかもしれない。

会社内で要職に就く部長2人が、そんな居心地の良い場所を離れ、2枚目の名刺を持ってみた。最初は社会を創る活動に対して一歩距離があった。一体何ができるのだろうかという不安もあった。それでもやってみたら、のめり込み、仕事のやり方が変わり、自分の在り方を見直すようになった。

そんな部長の姿を見て、若手は何か感じるものがあったのだろう。彼らの取り組みを聞いた若手が、サポートプロジェクトに参加し始めた。

「自分たちが変わることが、組織を変える起点になる」
新たな一歩を踏み出した二人は、そう確信している。

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はしもと ゆふこ
はしもと ゆふこ
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2枚目の名刺webマガジン編集者。 出産を機に出版社を退職し、ママ向け雑誌や広告、Webメディアなどで編集・ライターとして活動している。
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