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隠れ2枚目ホルダーが約9割?会社の理解を得て複業している人にコツを聞いた

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隠れ2枚目ホルダーが約9割?!

NPO法人二枚目の名刺が2017年3月に実施した「大企業勤務者の副業に関する意識調査報告書」によると、副業を始める前に会社に相談したという人は1割強。「会社には関係ないことだから」「何か言われるのではないかと恐れた」という理由で、会社に報告なく副業を始めている人がほとんどのようです。

(NPO法人二枚目の名刺「大企業勤務者の副業に関する意識調査報告書」より)

しかし、2枚目の名刺を持って活躍している人の中には、職場の理解を得て、時にアドバイスをもらいながら活動している人も。また隠れ2枚目ホルダーからは、「職場に相談した方が良いとは思うけれど、どんなタイミングでどう伝えれば良いのかがわからない」という声も聞きます。

そこで、職場に認めてもらいながら2枚目の名刺を持っている人たちが、どのようなタイミングで職場に報告したのか、また会社の理解を得るための報告・連絡・相談のコツは何なのかを聞いてみました。

※取材対象者は二枚目の名刺のメンバーを含む7名

「本当はオープンに2枚目の名刺を持ちたい」と思っているあなたの参考になれば幸いです。

どんなタイミングで会社に報告したの?

会社に伝えるタイミング、悩みますよね?
特に副収入を得ていない、自分の余暇の時間を使って行うボランティア活動であればなおさらです。

今回取材した2枚目の名刺ホルダーも、最初から会社に報告していたわけではないようです。

「社外活動で初めて取材を受けることになった時、コンプライアンス上問題がないかを会社に確認しました。ググればすぐにわかってしまう時代ですから、会社に伝えていないことで持たれ得る不信感はあらかじめ拭い去っていたほうがいいと思ったんです。」(商社勤務)

「職場でも社外活動で実施するイベントの告知やメンバー募集をしたいと思ったタイミングで上長に問題ないかどうかを確認するとともに、副業・兼業申請を出しました。」(メーカー勤務)

「自分がやりたいと思った活動が、休暇の取得や広報的な発信を必要とするものだと思ったので、早いタイミングで上長に説明し、承認を得ました。」(公務員)

SNSが日常的に使われるようになった今、「会社の人に見つかったらどうしよう」と思いながら活動されている方や、「就業規則上問題ないかな」と不安に思いながら活動されている方もいるかもしれません。そんな方に対し、「どうせ隠せないから、真っ当にやったほうがいい」(商社勤務)というアドバイスもありました。

会社に相談・報告する際のコツ

それでは、会社の理解(許可)を得て2枚目な活動をされている方は、職場の誰に、どのようにして伝えたのでしょう。相談・報告する際のコツも同時に聞いてみました。

「人事と広報の両方に伝えました。会社の規則の中で、どこまでがOKでどこからがNGなのかが不明瞭だから不安になると思うんです。だったら、『会社の決まりを教えて欲しい』と、わからない部分を質問する形で聞いてみると良いと思います。」(商社勤務)

今の部署で成果を残せていれば報告しやすいけれど、転職や異動したばかりで実績がない場合、上司に相談しづらかったり、そもそも上司が会社の方針を正しく理解していなかったりすることもあるけれど、専門部署に「確認」するのであれば、そうした懸念もないと付け加えてくれました。

「上司との1on1で、『こんなことをやり始めたのですが、気をつけておくべきことはありますか?』と確認したところ、『社名を出さないように』『報酬を得る場合は報告をするように』というアドバイスをもらいました。事前に伝えておいたことで、後ろめたさなく2枚目活動に取り組めるようになりました。」(IT企業勤務)

また単に副収入を得ることを目的としていない(想いを軸に活動している)2枚目の名刺の場合、「熱意を買ってもらいやすい」という話も聞かれました。

「活動当初から上長と労務担当者に報告はしていましたが、職場が古い体質のため、はじめは怪訝に思われていた部分もあると思います。でも活動に掛ける想いやその活動の重要性を熱弁し、イベント開催や執筆活動など何か活動をする度に事前に相談していたところ、今では『今度は何するの?』と興味を持ってもらえるようになりました。」(公務員)

今回の取材対象者の中には部下を持つ人もおり、「部下から事前に相談してもらえると、安心して気持ちよく送り出せる」(メーカー勤務)という声も。

「これくらいはいいだろう」と自己判断したり自分のやり方や意見を押し通したりするのではなく、会社にきちんと確認し、会社の決まりの中で工夫することで、会社からの信頼を得ることもできるのでしょう。

会社は無理解なのか? 伝えた時の対応は?

会社の就業規則に則って2枚目の名刺を持つ場合でも、上長や人事に相談・報告するのは少し勇気が要りますよね。

今でこそ会社に認めてもらい、活動を行なっている人は、職場に相談・報告した際にどのような反応を受けたのでしょうか。

「事前に時間をとって活動の趣旨を説明したところ、『いいことだね』というような前向きな反応でした。」(公務員)

「数年前に上長に伝えた時には、“自分はいいことだと思うが、社内であまり公にしないように”と言われました。そんな当社も今では副業解禁されています(笑)。時代の流れもあり、会社も柔軟になってきたと感じます。」(アパレル勤務)

同様の声は他の方からも聞かれました。

「以前は、『ボランティア?偉いね』『1枚目もしっかりやってね』という一歩引いたような空気がありましたが、働き方改革や副業・兼業解禁の後押しもあり、今では多くの人が興味を持ってくれるようになりました。」(メーカー勤務)

ここ1〜2年で、社外活動をすることは認めてもらいやすく、活動しやすくもなっているようです。

職場に伝えられないと悩んでいる人からは、「何か言われそうでこわい」「認めてもらえないのではないか」という声が聞かれますが、「どうすれば会社のルールの中で両立できるかという“アドバイスをもらう”」というスタンスで上長や人事を頼ってみるとYES,NOではない“最適な答え”が得られるのかもしれません。

会社と仲良く複業するために

「職場では仕事に集中し、勤務時間内にできる限り成果を上げられるようにしています」(公務員)
「職場の皆に話した段階で1枚目を疎かにできない状況になり、これまでよりも仕事に力を注ぐようになりました」(メーカー勤務)
「仕事の質や職場での振る舞いをより一層意識し、チームに貢献しようと思うようになりました」(公務員)

今回話を聞いた7名の2枚目ホルダーが共通してコメントしてくれたのが、「2枚目の名刺を持っているからこそ、本業のパフォーマンスにこだわっている」ということでした。

「会社の懸念は『本業がおろそかになるのではないか』ということだと思うのです。だから、『もう一つの活動での自分の役割はこんなことで、この時間を使って行うので、しっかりマネージできます』ということを伝えるようにしています。」(商社勤務)

会社のルールを遵守する姿勢と、本業も2枚目も自分でマネジメントすること、そして本業でも成果を上げること。この3つが揃えば、躊躇する必要はありません。

“会社と一緒に”あなたなりの2枚目の持ち方・続け方を探ってみませんか?

 

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はしもと ゆふこ
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女性誌出身の編集者。 「人生100年時代」に通用する編集者になるべく、雑誌とWebメディアの両方でキャリアを重ねる。趣味は占い。現在メインで担当するWebメディアで占いコーナーを立ち上げ、そこで独自の占いを発信すべく、日々研究に励んでいる。目標は「占い師」という2枚目の名刺を持つこと。
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