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関西のプロジェクトデザイナー・ゆきえさんに聞いてみた!(後編) 〜デザイナーとして実現したいことって何ですか?〜

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NPO法人 二枚目の名刺には関西で活動する4名のメンバーがいます。プロジェクトデザイナーとして活躍する佐藤由紀江さん(以降、ゆきえさん)もその一人。本記事は、2回にわたり、ゆきえさんに徹底インタビュー。プロジェクトデザイナーになるまで、二枚目の名刺での活動の様子に迫ります!(前編はこちら
後編は、二枚目の名刺でプロジェクトデザイナーとして参加されてどうだったか、また、ゆきえさん自身に起きた変化を、根掘り葉掘り聞いてみました。(こちらも合わせてご覧ください。 オンライン説明会@関西 報告レポート

二枚目の名刺のプロジェクトデザイナーのやりがいは、癖になる

宮内(以下、宮):さて、二枚目の名刺のスタッフとしてプロジェクトデザイナーになられたわけですが、どんな点にやりがいがあるのでしょうか?

ゆきえさん(以下、ゆ):デザイナーの役割は、例えると“火付け役”兼“ガードレール役”みたいなものです。サポートプロジェクトのメンバーがプロジェクトに対して自発的に考え、自らが設定したゴールに向かって行動できるように、火付けをしつつ、課題達成のための大筋は逸れないように導くという。
…でも、ここで言うのもなんですが、サポートプロジェクトに参加して自分が動くのも楽しいのでたまに羨ましくなります(笑)

宮:ははは(笑)
確かに、プロジェクトを動かす感覚はメンバーとして関わるほうがダイレクトですもんね。プロジェクトデザイナーのような役割は、NPO活動においては二枚目の名刺ならではのポイントなのですか?

ゆ:NPOと社会人のマッチングをされる団体さんは様々あるのですが、プロジェクトの最後まで伴走並走するスタイルは国内でも独特ではないかと思います。
チームの連携強化や、メンバー間の自己開示を促す役割を担うのですが、伴走並走していると、メンバー間の仲が良くなって、チームが自走できるようになる様子も見ることができます
その時は「よっしゃー!」と、密かに達成感を味わっています(笑)

プロジェクトの最後の発表時に、メンバーが「自分たちにもできた!」と高揚感を持って、目をキラキラさせて話している姿を見ると、私も「よかった、スイッチを押せたんだ!」と感じられて本当に嬉しく思います。
メンバーも、仕事や家庭など、様々なバックグラウンドを持ちながら参加されているので、1回のプロジェクトでは燃焼しきれないまま終わる方もいるかもしれませんが、心に何かしらの達成感や記憶を刻めるのではないかなと思っています。

宮:社会人メンバーは現場のやりがいが3ヶ月間ある一方で、デザイナーは最後の最後にやりがいが一気に押し寄せそうですね。

ゆ:そう、最後に「あぁ…やってよかった!」ってなります。
そしてまた次の社会人メンバーのスイッチを押したくなるという、癖になりそうな達成感がやってきます(笑)

2020年5月に開催した二枚目の名刺 サポートプロジェクト・オンライン説明会で、私が関わった社会人メンバーやNPO団体さんがサポートプロジェクトについて語ってくれていますのでぜひご覧いただきたいです。

本業では得られない経験は、やがて本業でも役立つ

宮:ゆきえさんはNPOでの活動に対して本業のスキル(マネジメント)が活かされていると思いますが、仕事とはまた違ったスキルを新たに習得することもあるのですか?

ゆ:スキルの内容は同じかもしれませんが、社外の方が相手となるとマネジメントの難易度が一気に上がりました。
同じ会社や業界であれば、専門用語やルール、目指す方向など様々な場面で共通の認識があるので通じやすいと思うのですが、活動を通して関わる皆さんは、業界も全く違えば、日頃考えていることから何から違うので、見えている世界が本当に違うんだな…と思わされました。
食堂のおばちゃんに伴走する機会がありましたが、こちらが使うビジネス用語はまず伝わらない。さらに、中長期的な話が大事なんですよ〜と色々説明した後に、「で、私は次までに何したらいいの??」と言われました(笑)
相手によって言葉とペースが違うことを理解しないと、伴走ってできないんだなぁと、いい勉強になりました。

宮:たしかに、人によって理解の順番も変わりますもんね。今まで自分ができていると思ったスキルレベルは、相手が変われば通用しなくなるんですね〜。

ゆ:一緒に活動する仲間も、それぞれ本業は異なりますし、仕事の進め方ひとつとっても違いました。「こんなにまとまらないものか…!?」ということもあります。
例えばMBAでは自身の意見を通したいという意識を持つ方が多いので勝手に話が進んでいったりしますし、サポートプロジェクトの社会人メンバー間では「こんなこと言ってもいいのかな…?」と思う方も多いので、意見を出しやすい空気づくりから始める、といった違いがあります。

外での活動をしていると、自分の常識が覆されるんです。本業にはない経験や勉強をすごくさせていただいているなと感じます。

宮:どんな面でパワーアップしました?

ゆ:自分の許容範囲が広くなりました。
本業の開発部門は、セールス・マーケティング部門の方たちと話すと立ち位置の違いから意見のぶつかり合いも生じるんですが、見ている世界も常識も異なる人たちをまとめることを想像したら、「私たち同じ会社じゃない!目指す方向は一緒だわ!」みたいに思えますよね。広い心を持って意見交換できるようになりました(笑)
あと、社内でも社外でも、自分がやりたいことがあれば思いを同じくするメンバーと小さくコトを起こしてみて育てればよい、と思うようになりました。

「自分で決めていい」の積み重ねを味わってほしい

ゆ:私は本業で “決める”ことが仕事のひとつなんですよね。担当プロジェクトについて自分で判断し方向性を決めて、周りに提案、説得していくというか。
入社時はまだ自分自身若くて辛かったのですが、それも段々とできるようになりました。“決める”ということは恐らく訓練が要りますし、多くの仕事では、既に根底が決まっていることに対して動くのが多いのではないかと思います。

宮:“決める”というのは勇気も要ると思いますが、これは誰でもできるようになりますか?

ゆ:はい、これは場数である程度できるようになるのではないでしょうか。
「自分で決めていいんだ!」と思えたり、「自分が決めるんだ!」というマインドセットになることが大切なのではないかと思います。

宮:そういう意味では、マインドに迷いを持っているうちは、なかなか難しいかもしれませんね。
きっと慣れるまでは、時間が作れるのだろうか、自分にできるのだろうか、という躊躇もあるのではないかと思います。
二枚目の名刺のサポートプロジェクトは、「自分が決めるんだ!」という場面を重ねて練習できる場所なんですね!

ゆ:そうですね。仕事場以外のフィールドで、サポートプロジェクトを通じて自分が、自分たちが“決める”ことを体感し慣れていけると思います。
何においても、自分が主役でいいんだ、自分が主役なんだ、と感じられることは、人生を豊かにするうえで大切だと思うので、二枚目の名刺のサポートプロジェクトを通じて、一人でも多くの方が失敗も含め色々チャレンジをしていただけたら嬉しいです。

2枚目の名刺を持つための“入り口”と“出口”を工夫したい

宮:今後ゆきえさんが二枚目の名刺で目指したいことはありますか?

ゆ:ひとつは、本業とは別の社会的な活動で2枚目の名刺を持つ人を増やしたいです。
現在二枚目の名刺が行うサポートプロジェクトは参加者が限られており間口が狭い点は課題です。また、3ヶ月という期間で成果を出すために熱量が必要になるので、その点で躊躇してしまう方も多いのではないかなと思います。
今は複業に対する理解も進み、興味を持つ方も増えているので、気軽に始められるような場をつくりたいと考えています。

もう一つは、活動を終えてから何かしらの形で継続できる場をつくることです。
3ヶ月のサポートプロジェクトは最後の発表時が最も熱量が上がっているので、それがプツンと途切れてしまうのは勿体ない気がしています。
その熱量を長期的な活動へ活用できるような仕組みをつくれないかな〜と考えたりします。

宮:確かに3ヶ月を駆け抜ける勢いで過ごしていたら、終わった後はなにか名残惜しさみたいな気持ちも生まれそうですよね。
プロジェクトを終えた後は、次に別のプロジェクトへ移ることはできるんですか?

ゆ:今のところできません。メンバー数も限られてしまうので、プロジェクトを続けていくことが難しい状況です。
卒業生コミュニティなんかがあっても良いのかもしれませんね。

活動の枠を超えて、想いと人が繋がっていく

ゆ:実はサポートプロジェクトのメンバー間で試してみた取り組みもあります。
メンバー間で毎回話し手を決めて想いをシェアする、TEDのようなプチトークなんですが、できるだけ時間の負担がないように資料などは作らず当日話すという場です。

宮:想いや考えのシェアする機会を設けられたんですね。
やってみた皆さんの感想はどうでしたか?

ゆ:特に、話す側に立ったメンバーに「自分の棚卸しができる」と、好評でした。
他のメンバーから質問を受けることで自分でも考えなかったことを深堀りできたのが良かったそうです。
メンバーは、ただでさえサポートプロジェクトに時間を割いて忙しいはずなのですが、いつも10名前後集まってくれました。

宮:自分のことをアウトプットする機会はありそうでないですよね。
質問をされることで意識していなかった想いが引き出されることもありそう。

ゆ:あとは、remoというオンライン会議ツールを利用して、クロスプロジェクト飲み会も一度してみました。通称「remo飲み会」。
14人ほどが参加して、プロジェクトをクロスさせたオンライン交流を行いました。各自お酒などの飲み物を画面の前に持ち寄って、みんな好き勝手話してね〜という自由な感じです。

宮:それはおもしろいですね。プロジェクトをまたいだ交流はないものかと思っていました。

 

ゆ:今回行われたプロジェクトでは、チーミングがうまくいったんですね。雰囲気もすごく良かったので、せっかくならプロジェクトもクロスさせたいなと思ったんです。 そしたら、見事皆さん交流が深まったんです!
その後、サポートプロジェクトのひとつであった認定NPO法人 Homedoor(ホームドア)の「HUB chari(ハブチャリ)」を広める活動を、プロジェクトが終了したにも関わらずメンバーが手伝い出すという動きまで生まれました

宮:まさに先ほどお話された“出口”の部分の理想形ですね。

ゆ:そうなんです。参加したプロジェクトの出口だけではなくて、クロスされた出口ともなり、プロジェクトを卒業しても参加できるという流れになりました。活動の枠を越えて社会人メンバーの輪が広がっているのは嬉しく思います!

 

(2020年にSPJデザイナーとして関わったキャリア教育をリードするNPO法人JAEチーム、名称“Animals”とのZOOM写真。毎回のミーティング後にZOOMで“ANIMALS“の文字をつくってチーム・アップ!)

 

 

【編集後記】

インタビューの中で印象的だったのは、2枚目の名刺を持つ活動=パラレルワークというのは「自分で決めていいんだ」「私が主役になっていいんだ」と思う場所に出会えるということ。
時に「自分で決断」というのは勇気が要るもの。もしも自分の挑戦に迷いがあるなら、二枚目の名刺のサポートプロジェクトを決断力のトレーニングとして参加してみるのも一つの選択肢であると思いました。
普段出会うことのない様々なメンバーと共に社会課題に取り組みながら、自己成長し、気がつけば自分の人生まで豊かになっていく・・・そんな好循環が一人でも多く広まれば、社会全体が心の豊かさに向かって加速するのかもしれません。

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宮内 めぐみ
ライター
長野県出身。会社員を経て、自らを試すべくフリーランスへ転身。 デザイナー・ライター・イラストレーターの3つの肩書を持つ、”描ける×書ける デザイナー”として活動中です。「自分の人生を楽しむ」がモットー。