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副業はなぜ後ろめたい?―「隠れ副業家のホンネの話。」イベントからその理由を探る【前編】―

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「隠れ副業」している人、集まれ!

2019年7月、<「隠れ副業」している人、集まれ!>と、何とも気になるイベントが渋谷で開催されました。

企業の“副業解禁”がブームのように報じられていますが、実際はやっと大手企業の50%を超えたばかり。(2019年5月に出された、日本経済新聞社の調査結果)。実際はまだまだ“副業禁止”している企業が多くあるのが実態です。

(画像:日本経済新聞 電子版 2019/5/20「副業解禁、主要企業の5割 社員成長や新事業に期待」より引用)

そんな中、今回のイベントの主催者は、会社におおっぴらにせずに副業している人を「隠れ副業家」と名づけ、「隠れ副業家のホンネの話。」と題して、隠れ副業家が集まるイベントを実施。サブタイトルは「この後ろめたさはどこから?」とこちらも気になるキーワード。実際に大企業にて「隠れ副業」しているビジネスパーソンが集まり、「隠れ副業家」ならではの悩みや実践の工夫、希望を共有する場となりました。

今回は、二枚目の名刺の広報担当である藤崎梢(ふじさきこずえ)がこのイベントをレポートします。私自身は、二枚目の名刺とその他にも仕事を兼業しており、以前勤めていた企業でも会社以外の活動をオープンに話していました。

ですが、同じ二枚目の名刺で活動しているメンバーの中にも「会社の同僚には話していない」という人がいますし、二枚目の名刺が行っているサポートプロジェクトの参加社会人からもそのような声をよく聞きます。“2枚目の名刺を持つことが当たり前の社会になる”ことを目指して活動する二枚目の名刺の広報として、この状況を放ってはおけません! この状況をどう打開しようか……ということを探るため、イベントに参加しました。

早速、“隠れ副業家”ならではのオフレコモード

イベントは《完全非公開》として開催。30名超の参加者はいくつかのグループに分かれて席に着き、お互いに自己紹介をするのですが
・「ペンネーム」でOK
・社名も「某●●企業」でOK
という不思議な状態でスタート。中には変装をしている方もいて、早速オフレコの場ならではの雰囲気。

イベントは大きく2部構成で、前半は実際に大企業にて「隠れ副業」しているビジネスパーソン4人が登壇し、某雑誌編集者がモデレーターとなり「ぶっちゃけどうですか」のトークセッション。後半は、法政大学大学院政策創造研究科 教授・研究科長の石山恒貴教授をゲストに、「越境学習」や「パラレルキャリア」の最新事情を伺い、参加者同士のディスカッションや意見交換も交えながら会は進行していきました。

副業をしていることは、“後ろめたい”?

会社の制度としては副業が解禁されていても、副業をしている人はまわりには公言していない人も多く、「(まわりが残業をしている中)自分だけ先に帰ることは後ろめたい」「自分だけ“いい思いをしている”ような気がして後ろめたい」といった声が出ました。「隠れ副業家=副業禁止の会社で働いている」ことを想像していましたが、そうではない方も多く、「会社に副業申請をしていても、あまり周りの人には話していない」という人も。

主催者からも、今回の「隠れ副業家」の定義として「会社が認めてない中でこっそりやっている人」だけでなく「会社は認めてはいるものの、やっぱり職場ではうしろめたさがあっておおっぴらにできない人」も含み、前者は制度、後者は風土の問題と考えているとのこと。なるほど、制度と風土の問題、なかなか根深そうだ…という印象を抱きました。

ちなみに、「副業」ではなく「学業」だとしてもこの後ろめたさや、「周りの人には言っていない」という状況は多くみられるようです。石山教授の話によると、石山教授が所属する大学院は社会人大学院のため、院生はみな社会人であり仕事を終えてから夜に学びに来る方がほとんど。しかしその約半数が「大学院に来ることを、会社(や同僚)には言っていません」と話しているそうです。

後ろめたさの背景は……

「自分だけ先に帰ることが後ろめたい」これが1番多かった意見のように思えましたが、他にも「以前は会社に120%コミットしていた。今は残業しない範囲でもちろん100%頑張っているけれど、前に比べると“忠誠心が減った”ような気がして、周りからもそう思われていたらいやだな、という後ろめたさがある」といった声もあり、うなずく参加者も多く見受けられました。

私もこの発言には大きく納得しました。本業も全力で取り組んでいるのに、どこか「時間があればもっとできるのに」「期待以上の結果を出したい」という気持ちがあることは否めません。限られた時間の中では100%でやっているけれど、どこか「会社からはもっと求められているのではないか」と無意識に思ってしまったり、自分自身としても「もっとやりたい、もっとできる」と思ってしまったり。この葛藤はなかなかなくならないのかもしれないと感じました。

副業の需要と供給が合っていない?

少し話はそれますが、石山教授のお話の中に、『他社社員の兼業・副業受け入れ』についての調査結果の紹介がありました。「副業をしたい」という社会人は年々増える一方で、兼業・副業という関わり方を受け入れている企業は5%程度、「今後も受け入れに取り組む予定がない」という企業が80%を超える、という実態だそうです。

(参考:関東経済産業局(2018)『兼業・副業による人材の受け入れニーズ調査報告書』より)

副業・兼業をしたい人は増えているものの、その人たちが活躍できる場はまだまだ少ないようです。企業側としては「正社員や契約社員」以外の関わり方をとる、いわゆる“外の人”を活用することの敷居がとても高いようだ、という石山教授のお話でした。

ソーシャル業界で2枚目の名刺の第一歩を踏み出すのも手!

日本において、一会社員が会社以外で副業や兼業をする際、労働時間の問題や様々な法規制もあり、複数の会社にすべて正社員として所属する、ということは難しいと思います。副業の多くは業務委託やボランティア、もしくは一般的な時間労働のアルバイト契約のはずです。

今私自身はNPO法人と民間企業様の両方で、業務委託で兼業をさせて頂いていますが、知り合いから「契約をしようとしてくれていた企業から、『取引先は「法人格ではないとだめだ(=個人の業務委託では契約ができない)」と言われたことがある』と聞いたことも思い出し、今回の石山教授の話を聞いて、企業側の受け入れのハードルはまだまだ高いと実感しました。

働き方の多様化と人手不足が加速する中、企業側も正社員をはじめとした「社員」というかたち以外にも様々な関わり方を受け入れ、マネジメントしていく力が問われてくるのではないかと思います。

そのような意味では、日々の活動において多くの「ボランティア」を受け入れ、反対に「フルタイムの正社員」が一般企業に比べると比較的少ない傾向にあるソーシャル業界は、一個人から見ると多様な関わり方がしやすい業界なのかもしれない、組織として様々な関わり方の人がいる中で事業を進めていくノウハウやマネジメント力は一般企業よりも長けているのかもしれないと感じました。

――つづく

※このレポートは、「隠れ副業家のホンネの話。」の主催者に許可を得て、非公開のイベントをレポートしたものです。文中の資料も、当日のイベントで使用されたものを一部加工し、流用させていただきました。

 

おおっぴらに副業中!二枚目の名刺広報・藤崎梢のインタビューはこちら

二枚目の名刺の広報は整体師!?人材×ヘルスケアで“名刺”を持つ理由を聞いた

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藤﨑梢(ふじさきこずえ)
ライター
NPO法人二枚目の名刺 広報・バックオフィス担当。二枚目の名刺の他、HR業界・整体の仕事をしながら鍼灸師の資格取得のため専門学校へ通学中。「はたらく×カラダ」をテーマにパラレルキャリアを模索している。 大阪出身・大阪大学卒業、組織コンサルティング会社やITサービス企業での営業経験、事業会社での採用・広報・接客(トレーナー)・バックオフィス経験など。
はしもと ゆふこ
編集者
女性誌出身の編集者。 「人生100年時代」に通用する編集者になるべく、雑誌とWebメディアの両方でキャリアを重ねる。趣味は占い。現在メインで担当するWebメディアで占いコーナーを立ち上げ、そこで独自の占いを発信すべく、日々研究に励んでいる。目標は「占い師」という2枚目の名刺を持つこと。
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